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ソフトバンクが2030年の6Gに向けた最新技術やHAPSの進捗を公開

2021年07月28日 10時00分更新

6Gはテラヘルツの時代へ!
そのメリットとデメリット

 周波数の拡張では、現在使われている周波数よりも遥かに高いテラヘルツ(THz)波の活用が想定されています。テラヘルツは、もはや電波ではなく、光と呼ばれる領域。きわめて細く直進性が強いため、広い範囲での送受信には向かず、実用化に向けてはコスト面でのハードルも大きいようです。それを克服するための研究が続けられています。

6Gでは、5Gに使われる「ミリ波」よりも高い「テラヘルツ」が利用される見通し

現行の電波法で「電波」と定義されるのは3THzまで。それ以上の周波数は「光」と定義されている

テラヘルツ波は、すでにいくつかの分野で利用されている

ソフトバンクは2017年からテラヘルツを利用するための研究をしている

6Gでは、電波の用途も拡張される

テラヘルツ波は、センシングでの利用も期待されている

 そして、「社会の挑戦」として周波数を効率よく使う技術や、量子コンピュータの時代に向けたセキュリティー技術の研究に取り組んでいることを解説。また、世界全体での課題となっている「ネットゼロ」の実現と技術革新を両立させる取り組みも紹介されました。

現在の周波数共有技術

異なる産業でも周波数を共有できるのが理想

量子コンピュータが普及する時代に備えた取り組みも開始

ネットゼロに向けた取り組みとして、再生可能エネルギーの利用を進めている

次世代電池の研究開発も進行中

AIによる省エネ化も研究されている

6Gで使われるテラヘルツ通信の実験を披露

 オンラインでの中継の後、6Gでの活用が想定されているテラヘルツ通信のデモがメディア向けに公開されました。テラヘルツは、本来は極めて直進性が強い性質を持ちますが、回転式のアンテナを採用することで、360度をエリア化し、移動通信に用いるための研究が進んでいることが紹介されました。

テラヘルツ通信のメリットとデメリット

ビームフォーミングでは多くのアンテナを必要として、莫大なコストがかかる

現状のビームフォーミングでは移動通信に向かない

回転アンテナによって、全方位に向けた通信を実現

超小型のアンテナを搭載することで、スマホでの受信も実現する

デモに使われた送信側の装置。ここから300GHzの電波を送信。アンテナを覆う反射板を固定した状態ではビームは直進し、手をかざして遮るだけで大きく減速した。反射板を回転させると、通信速度は遅くなるものの、広い範囲で安定して受信できる環境が作られる

受信側の装置

送信側と受信側は、これくらい離れた距離でデモが行なわれた

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