クルマが好きだ。中でもアルファ ロメオが好きだ。昨年試乗した510馬力のジュリア・クアドリフォリオの感動はいまだ色あせることなく、むしろ脳裏に焼き付いて離れない。しかし1174万円というプライスと、街乗りでリッター5kmを下回る燃費。しかもハイオク専用と、まさに「高値の華」。さすがに現実的なアルファ ロメオに目を向けると、あるじゃないですか。ジュリア・スプリントが。
流れるラインが特徴のイタリアンセダン
ジュリアは、アルファ ロメオとしては約半世紀ぶりとなるFRモデルとして、2017年に日本上陸をはたしました。ライバルはズバリBMW 3シリーズやアウディ A4シリーズ、そしてメルセデス・ベンツ Cクラス、レクサス ISといったDセグメントのセダン。名車がズラリと並びます。ジュリアはクアドリフォリオを頂点に、ディーゼルエンジン搭載のディーゼルスーパー、2リットル直4ターボエンジンを搭載した280馬力仕様のヴェローチェと、その四駆モデルQ4ヴェローチェ、そして200馬力仕様のスプリントと、5車種がラインアップされています。
現在2代目のジュリアは、昨年マイナーチェンジを実施。スプリントは、その時に誕生したグレードで、基本的な装備と安全性能を備えたジュリアのエントリーグレードとして位置づけられています。価格は460万円。BMWなら318i、メルセデス・ベンツならC180、アウディならA4といった、ドイツ御三家の500万円以下のエントリーグレードが直接のライバルといえるでしょう。
ボディーサイズは全長4645×全幅1865×全高1435mmで、ドイツ御三家たちとあまり変わらない大きさ。車重は1590kgで、アウディ A4の1580kg、BMW 318iの1540kg、メルセデス・ベンツ C180の1510kgに比べると重量級。とはいえ、その差は最大80kgなので、人間1~2名分といったところ。いや、結構大きいかな?
エンジンは直列4気筒2000ccターボ。8速ATと組み合わせて200PS/33.7kgf・mを地面に伝えます。ここでもライバルと比較すると、メルセデス・ベンツ C180が156PS/25.5kgm、アウディ A4が150PS/27.5kgf・m、BMW 318iが156PS/25.5kgmですから、アルファ ロメオの圧勝。よりスポーティーな走りが体感できるのでは? と期待させてくれます。
室内はアルファ ロメオらしさを感じさせるスポーティーな雰囲気。上質感も十分で、文句のつけどころナシ。イマドキのクルマはなんでもLCDディスプレイ表示なのに対し、指針式の回転計と速度計、そして中央にインフォメーションディスプレイを配置するあたり、むしろホッとするというか、スポーティーな感じでイイではありませんか。何より御三家よりも広さを感じるような。ヘッドスペースも十分だし、フットスペースも広くて快適そのもの。
これは後席でもいえることで、メルセデス・ベンツは「ちょっとヘッドスペースが足りないなぁ」と不満を抱くのですが、アルファ ロメオはそのようなことはなく。身体の大きな人は、アルファの方がシックリくるかもしれません。
収納面も問題ナシ。もちろんトランクスルーに対応しています。このように居住性や積載性の面で我慢を強いられることはありません。普段使いできるのです。
さて。エンジンパフォーマンスで御三家に勝るアルファ ロメオですが、装備面はどうでしょう。ナビはオプションで用意する御三家に対し、こちらはディスプレイオーディオ標準装備でオプション設定ナシ。イマドキはスマホと車両を接続するのは当たり前なので、別にナビがなくてもいいかなとも。
ですがライバルたちと決定的に異なるのは運転支援系。ドイツ御三家がアダプティブ・クルーズコントロールにハンドル支援も含めた高度なシステムを搭載しているのに対し、アルファ ロメオは緊急ブレーキ、ブラインドスポットアシスト、レーンディパーチャーワーニングと、クルーズコントロールのみ。クルーズコントロールが、ハンドル支援はおろか前走車監視タイプではないのです。「アルファ ロメオは技術的に無理なのかな」と思いきや、上位モデルのヴェローチェは、先進的な安全運転支援システムも完備しているところから、その部分を省いてお求めやすい価格に、というのがスプリントというグレードなのでしょう。
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