週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

メルカリ、LUUP、ライナフ、日本瓦斯のSORACOM活用とは?

ソラコムが最新事例を披露 新サービス「SORACOM Arc」の破壊力

2021年06月24日 11時00分更新

無人投函可能なメルカリポストでのSORACOM採用事例

 続いて玉川氏の紹介で登壇したのは、メルカリ 執行役員 VP of Business Operationsの野辺一也氏。「ソラコムのイベントは前職のローソン時代に物流の最適化を紹介して以来の登壇だが、あれから3年経って、IoTの景色がだいぶ変わってきた」と振り替える。そんな野辺氏なだけに、今回紹介するメルカリでの新事業もソラコムとのコラボを前提に考えたソリューションだという。

メルカリ 執行役員 VP of Business Operationsの野辺一也氏

 創業から7年経つメルカリだが、月間利用者数1755万人、累積流通額は1.5兆円にまで拡大しているという。しかし、同社の調査によると出品意向はあるが、未出品の人は3610万人にものぼっており、出品体験というのはきわめて重要。梱包が大変、発送が面倒といった声に応え、出品までの敷居をいかに下げるかが利用者増の大きな鍵になる。

 こうした声に応えるべく、昨年メルカリは初のリアル店舗「メルカリステーション」を新宿にオープン。ここで試したOMO施策の中から全国展開を決めたのが、SORACOMを採用した無人投函ボックスの「メルカリポスト」になる。「正直、コンビニに出しに行くのって面倒ですよね。店員さんの手をわずらわせている気もします」という課題感から、ユーザーがセルフサービスで投函できるのがメルカリポストになる。

SORACOMを採用した無人投函ボックス「メルカリポスト」

 メルカリポストの設置場所は既存のコンビニやヤマト運輸ではなく、もっとユーザーの生活圏に近いところを想定している。そのため、必ずしも通信環境がリッチなわけではなく、SORACOMのような通信が必要になるという。SORACOMを用いることで、遠隔地から稼働状況を把握することができるほか、投函された商品の積載状況を確認することも可能になる。そのため、効率的な商品の回収が行えるほか、アプリの利用状況やトラフィックデータからメルカリポストの配置の最適化も実現できるという。

 実はメルカリポストは、多機能版である「メルカリポストプラス」のPoCを終えており、自動採寸、顔分析、無人レジ、無人発送投稿も可能になる。こうした新版にも対応できるのがSORACOM選定の理由。今後、日本全国に設置を拡大し、置き場所のホストにもメリットを得られるよう、顧客、地域、商品の3分野でデータ連携を進めていく。現在8万の配送拠点に加え、メルカリポストも2023年には5000箇所の設置を見込んでいるという。

2023年には5000箇所の設置を目指す

シェアサイクルサービス「LUUP」が目指す未来とSORACOM

 続いてユーザー企業として登壇したのはLuup代表取締役社長兼CEOのの岡井大輝氏になる。同社は電動の自転車やキックボードなど小型モビリティのシェアサイクルサービス「LUUP(ループ)」を展開しているスタートアップだが、ミッションは「街中を『駅前化する』インフラをつくる」というもの。「儲かるシェアサイクルサービスを作るのではなく、モビリティサービスによって、駅から離れた不動産の価値が、エキチカ物件の価値に近づくことを目的としている」と岡井氏は語る。

LUUPのビデオとともに現れたLuup代表取締役社長兼CEOのの岡井大輝氏

 現在、LUUPは小型電動アシスト自転車と電動キックボードのサービスを東京と大阪でスタートしている。スマホアプリ「LUUP」を用いて乗車でき、利用料は10分100円(1分15円)。特徴は「ポート」と呼ばれる駐車場の設置密度で、渋谷圏においては競合に比べて8~20倍の密度を実現する。「都内のコンビニと同じくらいのポートがある」(岡井氏)

東京と大阪でサービスを展開しているLUUP

 また、ポートにも工夫があり、モビリティがはみ出ないよう停車後の撮影が義務づけられているほか、あらかじめ目的地を決めていくため、ポートの予約機能があるという。さらに、現状原付扱いの電動キックボードの規制を緩和すべく、「マイクロモビリティ推進協議会」という業界団体を作り、政府や関係機関と連携して、安全で利便性の高い電動キックボードのルール作りを進めてきた。こうしたルール作りの上、政府からの特別な認可を得てLUUPサービスを実現している。

 SORACOMはLUUPのすべてのモビリティに搭載されており、遠隔からの施錠や管理を実現している。「アクティベート後に課金が始まるので、コストが最適化できる。コンソールが充実して、APIと連携して、多様な通信状況を把握できる」と岡井氏は語る。2023年までに全国展開を進めるほか、小型電動アシスト自転車と電動キックボードとは異なる、高齢者・足腰の弱い人向けのユニバーサルモデルを社会実装していくという。 

SORACOMはコスト最適化とAPIが魅力だった

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう