ディップは6月23日、「DXサービスに関する認知」についての調査結果を発表した。第4弾となる本調査は地域別調査として、都市圏のある北海道・東京都・愛知県・大阪府・福岡県の各エリアで比較し分析した。
調査手法はインターネット調査で、調査実施時期は4月2日~5日。対象者は、47都道府県内在住の22歳~69歳男女で、会社員かつ従業員規模が50名以上の企業に所属する人。有効回答数は1000件。
調査サマリー
(1)デジタルツール導入率は、「東京都」以外は横並びで30%強
(2)「DXができている」という意識は、「福岡県」が6.7%と最も低く、「北海道」が「東京都」に次いで高い傾向
(3)営業デジタルツールは「北海道」、バックオフィスデジタルツールは「福岡」がそれぞれ「東京都」に次いで導入率が高い
(1)デジタルツール導入率は、「東京都」以外は横並びで30%強
今回の調査では、DXツールを15カテゴリーに分類して、それぞれの導入状況について質問した。その上で各エリアにおける導入状況を算出し平均値を出したところ、以下の結果になった。
「北海道」32.0%、「東京都」43.5%、「愛知県」32.2%「大阪府」32.7%「福岡県」32.6%と算出され、「東京都」が他のエリアより10pt程度高いという点以外は、ほぼ横並びの結果となった。DXツールの導入状況「東京都」以外は大きな差はないことがわかった。
(2)「DXができている」という意識は、「福岡県」が6.7%と最も低く、「北海道」が「東京都」に次いで高い傾向
「勤め先では、総合的にどの程度デジタルトランスフォーメーション(DX)ができていると感じるか」の質問では、「できている」と回答したのはそれぞれ「北海道」19.6%、「東京都」22.5%、「愛知県」13.9%、「大阪府」13.8%、「福岡県」6.7%となっており、「東京都」を除いた4つのエリアのDXツール導入率はほぼ同水準だったにも関わらず、「DXができている」という意識は、エリアごとに乖離があるという。
特に差があるのが「福岡県」で、「DXができている」との回答が低く、「DXができている」基準が他のエリアよりも高く考える傾向がある。反対に「北海道」は「DXできている」と感じる回答が、「愛知県」「大阪府」よりも高く、「福岡県」より10pt以上多く「DXができている」と回答していることから、他のエリアよりDXと捉える範囲が広い様子がうかがえる。
(3)営業デジタルツールは「北海道」、バックオフィスデジタルツールは「福岡」がそれぞれ「東京都」に次いで導入率が高い
実際の導入率と「DXができている」という意識の乖離について分析するために、デジタルツールを、営業系とバックオフィス系の4種ずつで各エリアごとに導入率の平均値を算出した。
営業デジタルツールでは、「オンライン商談ツール」「クラウド電話・電話アプリ」「CRM/SFAなどのツール」「MAツール」の4種、バックオフィスデジタルツールでは、「勤怠管理・ウェブ給与明細などの労務管理ツール」「電子署名・クラウドワークフローなどの申請ツール」「経費精算・管理などの経理ツール」「予定管理・情報共有などのグループウェア・ポータル」を取り上げた。
営業デジタルツールでは、「北海道」28.0%、「東京都」35.9%、「愛知県」26.0%、「大阪府」24.6%、「福岡県」24.2%となり、「北海道」が「東京都」に次いで導入率が高い結果となった。
バックオフィスデジタルツールでは、「北海道」45.8%、「東京都」62.1%、「愛知県」44.6%、「大阪府」51.6%、「福岡県」55.2%で、こちらは「福岡県」が「東京都」に次いで導入率が高い結果となった。
以上の結果から、バックオフィスデジタルツールは「DXができている」という意識になりづらいことが考えられるという。例えば、「勤怠管理・ウェブ給与明細などの労務管理ツール」はすべてのエリアで導入率が50%を超えていて、当たり前に導入されていることも推測できる。当たり前であれば「DXができている」と意識しづらくなり、反対に、「MAツール」や「CRM/SFAなどのツール」など比較的新しいツールは、導入していることでDXに積極的だと意識しやすいと同社は推測している。
まとめ
「DXができている」という意識は、地域だけでなく人によっても差が出ているという。また、デジタルツール導入だけがDXとは限らず、仕組みを変えてビジネスプロセスを効率化させるDXの取り組みが秀逸であれば、デジタルツール導入数が少なくとも、「DXができている」と意識することは大いにあるとしている。
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