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ゲームの画面を見て、それに対してプレイヤーがマウスやコントローラーなどでリアクションを行い、その結果が画面に表示されるまでの時間のことを「システムレイテンシー」や「インプットラグ」などと呼ぶ。このシステムレイテンシーというものは、同じゲームならどんなプレイ環境でも同じというわけではない。ゲームの設計はもちろんだが、ゲームを動かすハードの性能がシステムレイテンシーに強い影響を与える。
筆者はすでにこのシステムレイテンシーに関するレビュー記事をいくつか掲載しているが、これを通じて「ストリートファイターV」のようなジャンルのゲーム(いわゆる“格ゲー”)ではシステムレイテンシーはほぼ安定している(「SFVと鉄拳7でGeForceの超低遅延モードを地獄の100本ノック検証」を参照)。 その一方で、FPS/TPS系のタイトルはAPIやハードの影響を受けやすい(Apex LegendsとR6SでGeForceの超低遅延モードを地獄の100本ノック検証)、という知見を得ている。
特に影響を強く受ける要因はGPUで、性能が低いほどシステムレイテンシーに悪影響が出やすい。すなわち、より高性能なグラボに買い替えるという対策が最も効果的なのである。しかし、2021年春の段階では、様々な社会情勢の影響でグラボ市場は空前の品不足に陥っているため、グラボの買い換えが難しくなった。となれば、システムレイテンシーの改善はほかの方法を取らざるを得ない。
そこで注目したいのがGPU側のシステムレイテンシー低減機能だ。AMDなら「Radeon Anti-Lag」、NVIDIAなら「低遅延モード」や「NVIDIA Reflex」(以下、Reflex)になる。既報で示した通り、ReflexはFPS/TPSゲーマーにとって非常に良い結果をもたらすことがわかっている。
それを踏まえた上で、「CPUのチョイスでシステムレイテンシーは変わるのか?」、さらには「Reflex有効時と無効時でCPUによる性能差はどの程度になるのか?」を検証していこう。インテルの「Rocket Lake-S」ことデスクトップPC向け第11世代Coreプロセッサーと、AMDの第4世代RyzenことRyzen 5000シリーズのゲーミング性能は甲乙付けがたいが、システムレイテンシーという観点で見た場合はどちらが優秀なのだろうか?
そこで今回は、第11世代Coreプロセッサーから「Core i9-11900K」(8コア/16スレッド、7万3800円前後)および「Core i5-11600K」(6コア/12スレッド、3万2000円前後)、第4世代Ryzenから「Ryzen 7 5800X」(8コア/16スレッド、6万1800円前後)および「Ryzen 5 5600X」(6コア/12スレッド、4万800円前後)をピックアップ。インテル&AMDの最新物理8コア&6コアCPUでシステムレイテンシーを計測し、どの程度の性能差が出るのか検証してみる。
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