マイクも高性能! PC、コンソール機、スマホで使える汎用性の高さも魅力
ゲーミングヘッドセット「EPOS H3」は競技タイトルと相性抜群、付け心地良好で長時間快適に遊べる!
PCやコンソール、スマホで使える高い汎用性
長時間装着できる付け心地も魅力
ゲーミングオーディオデバイスを中心に展開するEPOSが、新たにゲーミングヘッドセット「EPOS H3」(以下、H3)を発表した。同ブランドの製品としては手頃なお値段で手に入るエントリーモデルのような位置付けではあるが、果たしてその実力はどうか、実際に見ていこう。
EPOS H3は密閉型ヘッドセットだ。付属品はEPOS H3本体のほか、パソコンとの接続を前提にした3.5mm3極ゲーブル1本、スマホやコンソールゲーム機との接続用である3.5mm4極ケーブル1本、説明書といった感じだ。ゲーム機やスマホ向けの接続ケーブルが別売ではなく付属品であり、余計な出費をせずにすむというの普通にふれしい。
それではEPOS H3の形状を見ていこう。まず目に着くのが耳にあたる部分のハウジングだ。左側のハウジングにはマイクがあり、右側のハウジングにはダイヤル型のボリュームコントローラーが取り付けられている。
このマイクは通常、ヘッドバンドやアームに沿うように立てておき、ボイスチャットや通話などで利用したい場合に90度倒して使用することになる。
「でもパッと見でマイクのオンオフスイッチとかがないよ?」と思うかもしれないが、マイクを倒すと途中でカチッというノッチというかクリック感が発生する。これを合図にマイクのオンオフが切り替わる仕組みとなっているので、使わないときは立てるというクセをつけておけば、不用意に音声が拾われるということはない。
ボリュームコントローラーはダイヤル式となっており、時計回りに回すとヘッドセット側で音量を大きくし、逆に反時計回りにすると音量が小さくなる。ただ、このコントローラーはOS側の音量を操作するのではなく、あくまでもヘッドセット側での音声出力を調整するものだという点は注意してほしい。また、私の環境では反時計回りに回しきり、ダイヤルが止まってもパソコン上で流れている音がわずかに聞こえていた。
ハウジングより内側の、ユーザーと直接触れるイヤーパッドもみてみよう。イヤーパッドの高さはドライバー部から約2cmほどの高さが設けられている。イヤーパッドの表面は3つの異なる素材が使用されており、外側が柔らかい合皮のような素材、使用者の頭部と接触する部分は手触りのいい布、音を出すドライバーユニットの近くはメッシュ調の生地といった感じだ。
推測でしかないが、合皮部分は音漏れを防ぎ密閉度を向上させ、布は肌との接触のために表面が柔らかい物を選び、メッシュ調生地は蒸れにくくするための理由で採用されているのではないだろうか。
さて、先程イヤーパッドの高さは約2cmと言及したが、これはあくまでもイヤーパッド自体の高さだ。実はEPOS H3の音を出すドライバーユニット部分は、平面ではなく人の耳に合わせて極力耳と接触しないように設計されている。そのため、耳の外周側が当たりそうな部位は本体の内側へと凹みを持たせた形状になり、イヤーパッドを含めた高さは使用者の前側が約2.2cm、後側が約3cmだ。
実際に長期間使用してみたが、耳が押し潰されることもなく快適に使用できて満足している。ただ、耳というのは人それぞれ形状が異なるので、可能であれば展示品などを装着して使用感を確かめてほしい。
個人的にゲーミングヘッドセットを選ぶときに重要視しているのが、側圧だ。これはヘッドフォンが使用者の頭部を挟み込むときの力の強さで、側圧がキツい場合長時間装着していると頭が痛くなったりする人も居る。H3はどうかというと、頭の形状は人それぞれなので参考程度にしてほしいが、10時間ほど装着し続けてみても筆者は苦にならず、長時間の使用にも問題なく耐えられた。
足音など状況把握がしやすい競技志向のヘッドセット
ここからは実際にEPOS H3を使用してゲームを遊び、その印象を綴っていこうと思う。テストで使用したのは「バイオハザード ヴィレッジ」「Apex Legends」に「FIFA 21」といったタイトルだ。くどいようだが、あくまでも私の所感という点は留意してほしい。
FPSやTPSを遊ぶときに重要になるのが視覚だけでなく聴覚だ。これは敵が発する物音などがプレイヤーに周辺状況を理解する一助となっているからである。とくに「バイオハザード ヴィレッジ」のようなホラーゲームや「Apex Legends」のようなバトロワ系の対戦ゲームで重要なのはおしてしるべしといったところだ。
ではH3はどうかというと、かなりいい音の聞こえ方だといえる。「Apex Legends」ではプレイヤーの周囲を敵が走っているとき、その足音の聞こえ方から感覚的に敵との距離と方向を感じ取ることが出来た。
また、敵の投擲したグレネードが地面や壁に当たる音も認識しやすく、次にどう動くかを素早く決めることが可能だ。これは敵との交戦において大きなアドバンテージになるだろう。
「バイオハザード ヴィレッジ」では、ドミトレスク城の城主であるドミトレスクがプレイヤーを探して城内を歩いているとき、離れていてもその方向と距離が把握でき、極力遭遇しなくてもすむように行動できた。
そして、道中で出現するライカンなどの敵モンスターの位置も瞬時に察知することができた。難度高めのゲームを遊ぶうえでも、不用意なダメージを負わずに突破することができるのはメリットだといえるだろう。
続いてサッカーゲームの「FIFA 21」でテスト。こちらはプレー画面がテレビ中継のようにピッチからかなり引いた視点で遊ぶため、ド迫力とまではいかないが、会場のサポーターが奏でる応援太鼓や歓声がらかなりの臨場感を味わうことができた。
とくに得点後のスタジアムの盛り上がり具合は凄まじく、かなり前にサッカーをスタジアムで観戦した思い出が蘇るレベルであった。サラウンド出力を可能にするオーディオアンプと組み合わせたら、より臨場感のある音で楽しむことができるだろう。
今回実際にゲームを遊んでみたが、H3はわりと競技志向のヘッドセットだなと感じた。というのも足音や武器のカチャカチャとした中・高音はかなり聞き取りやすいのだが、反対に低音はかなり軽めに聞こえるからだ。恐らく大事な場面で音が干渉しないようにチューニングをしていった結果こうなったのではないかと思っている。
では音楽や映画はどうかというと、低音が抑えられているためにそこまでの臨場感や、ゴリゴリの低音を感じることはあまりなく、人によっては物足りなく感じてしまうかもしれない。
そしてゲーミングヘッドセットで問題となるのが、前後方向の音の聞こえ具合だ。真正面や真後ろから発せられる音を出すのが苦手な製品が多くあるが、H3はわりと聞き分けることが可能だ。本製品を使用した最初こそわたしも前後方向が分かりにくかったのだが、慣れると音のこもり具合に微妙に差があることがわかり、最終的には意識せずとも判断できるようになった。
マイクの音質はほかのヘッドセットと比べると変にノイズが乗ったり声がこもって聞こえることもなく、比較的クリアな音質だといえるだろう。もちろん、コンデンサーマイクなど単体でマイクロフォンとして売り出している製品には負けるが、ヘッドセットのマイクとして見れば十二分にしっかりとしたシロモノであると断言できる。
以上、H3の音周りを見てきたわけだが、ゲーム用途、とくに競技志向のタイトルと相性がいいように感じた。今回はステレオ環境でのテストと相成ったわけだが、同ブランドのGSX 300やGSX 1000といったオーディオアンプと併用すれば、より高品質なサウンドを体験することができる。なので、実際に使用して満足がいくのであれば、オーディオアンプの追加購入も検討してみてはどうだろうか。
個人的には、現在使用しているヘッドセットからの買い替えも大いにアリだと感じている。それにしても、約1万6000円という価格帯で、このクオリティの製品が出てくるとは。
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