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ゼロタッチでロックと復帰

VAIO Zの静粛性や発熱をチェック、6310Cinebenchの高速モバイルだが……?

2021年06月04日 09時00分更新

CPUの発熱にどう挑むか、気になるファン音は?

 VAIO Zの特徴は、薄軽筐体ながら高性能なCPU(H35シリーズ)を搭載した点だ。

 ここでやはり気になるのがファン音と発熱だろう。VAIO S11に比べれば、さすがに負荷がかかったときファン音は気になる。特に最初に起動してからしばらくは、システムが更新されたり、内部ファイルをクロールしたりするためか、ファンが高速回転しだすことがある。アップデートを一通り実行し、しばらくすればファンも止まって静かになる。なので、購入直後はしばらく我慢が必要だ。

実は前回計測したとき伸び悩んでいると感じていたが、今回計測してみると6310と6000を軽く超え、Core i7-7700K相当の値を示していた

 ファンを1つしか搭載していないVAIO S11とファンを2つ搭載しているVAIO Zの違いは大きい。UシリーズとH35シリーズでは発熱量も大きく違うので、負荷がかかれば自ずと熱が発生し、ファン音が大きくなるのはしかたがないことだ。

 実際にどの程度の大きさなのかを計測してみた。ディスプレーから30cm程度離れた場所に測定器を置いて、「Chinebench R23」を走らせて負荷のかかった状態の音を測ってみた。位置はちょうどマシンの正面に座ったときに頭が来る位置あたりである。

デスクに向かって作業しているときに感じる騒音を測定。暗騒音は37.2dBA程度だ。

 結果は52.1dBAほど。電源に接続し、パフォーマンス優先のためフルパワーで動かせば、この辺りまで達するため少々うるさく感じるかもしれない。ただ、モバイルワークの場合、バッテリー駆動のため電源の設定は標準になるため、「Chinebench R23」を走らせてもフルパワーでは動作しない。結果、騒音も43.2dBAとかなり抑えられる。この辺りだと、それほど気にならないレベルだ。また、ストリーミング動画を流して放置したところ、15分経ってもファンは駆動しなかったので、軽負荷の作業ならファン音を気にすることもない。

 発熱についても、測定器で計測してみた。先程と同様に電源に接続してパフォーマンス優先にし、Chinebench R23を走らせ、さまざまな箇所を測定してみた。キーボード周りで一番高音になったのがF6キーの辺り。その温度は45.6度(室温は25.8度)。ホームポジションとなるJキーとFキー辺りは35~36度ぐらい、パームレスト部分は室温と同じ25.8度なので、タイピング時はさほど気にならないが、キーボード上部は意外と温度が上昇しているので、多少温かく感じてくる。

 また、底面も調べてみたが、排気口付近ではなく、CPUがある付近の発熱がもっとも高く46.2度。膝の上に載せて作業する場合は、温かく感じる温度だ。先述の通り、発熱量が高いCPUを使っているので、ある程度はしかたがない。むしろ、この薄型筐体で、これだけの発熱量を受け止めて、冷却できる点がスゴい。冷却能力が高いからこそ、この程度の上昇で収まっているとも言える。他メーカーでは、消費電力や発熱が低い、Uシリーズのプロセッサーでもこの程度まで温度が上昇することはよくある。一部、温度が高くなる個所があるにしても、最小限に抑え、極力タイピング時の妨げにならない位置になるよう配慮されているところがVAIOらしいところだ。

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