運転する人も快適に
ドライバーシートも凄い!
折角ですので、運転席にも座ってもらいましょう。「なんですか! この運転席は?」というのが先生の第一声。そうです。後席も凄ければ、運転席も凄いのです。「オレンジ色のイルミネーションが素敵」と星野先生。シートを調整しようとすると、太もも部分だけが独立して可動するほか、座ってしばらくするとシートのサイドサポートが自動的にドライバーにフィットするように可動するではありませんか。
機能面でも、ナビゲーションのローカライズ(日本語化)は完璧なばかりか、360度カメラにより周囲の状況をモニターでお知らせ。それ自体は他社にもあるのですが、そのアニメーションや分かりやすさが段違いで、大きな車体でも車庫入れに不自由しません。さらに高速道路で50km/h以下の渋滞時にハンズオフができるなど、機能面でも圧倒的。このハンズオフについては後ほど。
妊娠中はあまり運転しなかったこともあり、ちょっと不安げな星野先生。「大きくて感覚がつかめない」と苦戦しています。大丈夫です。普段クルマに乗りまくっているスタッフも「これ、運転するの怖いなぁ」と思っていましたから。
搭載するエンジンはBMWご自慢のシルキーシックス。3リットル直列6気筒+ターボに、電動モーターを組み合わせたもの。エンジンが発する出力は286馬力/450N・mですが、これにモーター出力の113馬力/265N・mが乗りまして、合計トルクは60N・mオーバーとR35 GT-Rなみ! 2トンを超えるボディーでありながら0-100km/h加速が6秒を切るというから驚きです。EVだけで走行可能で、かつ充電も可能。つまりPHEVモデルになります。ですが通常充電のみで、急速充電は不可。ちょっと惜しいところですね。
そしてモーターアシストもあって、745eは静かに、それでいて力強く発進。シルキーシックスの静粛性、振動のなさは圧倒的で、直列6気筒とモーターの相性の良さを感じさせます。素晴らしいのは減速時に回生がかかるのですが、ハイブリッドにありがちなモーター音が聞こえないこと。そのままアイドリングストップが起動するのですが、その動きも滑らか。もちろんエンジン起動時に振動が伝わるという野暮なことはありません。ラグジュアリーサルーン、おそるべし!
さらに驚きは、とても2トンを超えるクルマとは思えない動きの軽やかさ。「アクセルワークをラフにすると、クルマがガクガクしてしまうほどレスポンスがいいんですね。それに運転していて、いい意味で重たさを感じません。見た目より機敏で、乗っていて楽しいですね」と先生。ラグジュアリーサルーンなのに、駆けぬける歓びを忘れていないのがBMWの凄いところ。後席の人は快適で、運転する人は楽しく。とんでもないクルマです。
ちなみにSPORTモードも用意されていて、スポーツカー顔負けの前へ進む意志を感じさせます。怒涛の加速は、まさに突進する重戦車といった様相。さらに車高調整であったり、EV走行モードなど機能は多彩。運転支援系も充実しておりレーンキープアシストをはじめ、考えられるサポートはフル装備! これらの機能はお節介だと思われがちですが、7シリーズに乗っていると使いたくなるから不思議。確実に安全に乗員を目的地へと届けるという意志を感じます。
驚くべきはプライスで、レクサスLSと変わらないのです。高いですが、破格という言葉しか思い浮かばないほどのコストパフォーマンスの高さ。逆に言えば、レクサスはとんでもないライバルを相手にしているように感じた次第。それにしても、シルキーシックス搭載のラグジュアリーサルーンが1200万円で手に入るとは……。
「見た目も乗り味もメルセデスやアウディよりドイツを強く感じさせますね。一言で言えば、硬派で正統派でしょうか。それに完成度の高さが圧倒的。不満なんて一つもありません」とのこと。先生によるとBMWを選ぶ人は几帳面な方が多いという印象のようで、そういわれるとクルマもいい意味で生真面目という印象を受けました。
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