予算10万円でAPU搭載ゲーミングPCを作る予定だったが……?
Radeon RX 6700 XT搭載の"超"ゲーミングPC爆誕! 汗と涙、サプライズ満載の自作体験レポート
さらなる高みを目指して……!
組み立てたマシンを自分好みに強化できるのも自作の醍醐味なのだ!
試行錯誤を経て、APU搭載のゲーミングPCを完成させた。ケース内で煌びやかに発光するLEDのイルミネーションに魅了されると同時に、すごいものを完成させた達成感に浸る自分がいた。
これで終わりと思いきや、そこにジサトラメンバーのヤヒロが姿を見せた。アスキー編集部ではゲーム(eスポーツ)とBTO PCを担当している。彼は私の大学の同期であり、アスキー編集部で働くきっかけを作ってくれた友人でもある。プライベートでも夜な夜な一緒にゲームをするほどだ。
私:このゲーミングPC、どうよ! カッコいいっしょ?
ヤヒロ:おおお、良いPCじゃん。光ってるのが最高だね。CPUはなに? ん、APU? 今はそれでいいけど近い将来非力になるかも。現にFFXVがまともに動かないでしょ? しょうがないなぁ、ちょうどCPUが余ってるんだけど、これ使う? 「Ryzen 5 5600X」。
私:え、いいの? やった! ありがとう!
ジサトラヤヒロから受け取ったRyzen 5 5600Xは、「Zen3」アーキテクチャー採用の6コア/12スレッドモデルだ。第4世代Ryzenプロセッサーとなる本モデルは、前世代よりもシングルスレッド性能が大幅に強化されているため、ゲームプレイ時で高いパフォーマンスを発揮するのが特徴だ。価格は約4万1000円。
ドリル北村:さっそくCPUを換装してみようか。強いパーツに換装してマシンを強化できるのも自作の醍醐味だからね。
私:さっそく換装してみます!
~数分後~
私:CPUの換装は済んだのですが……ドリル先輩、ビデオカードがないっす!
ドリル北村:あ、そうだったね。今はビデオカードの供給不足でどこも品切れだから買うのは苦労するしなぁ。ちょっと待ってて、倉庫を探ってみるわ。
~さらに数分後~
ドリル北村:お待たせ! ちょっと古いけどいくつか良さそうなもの見つけてきたよ。
私:電源を押しても画面に何も映らないですね……あれれ?
ドリル北村:おいおい、HDMIケーブルを挿すところ違うぜ。マザーボード側じゃなくてビデオカード側のHDMI端子に挿さないと。
私:ビデオカード側のHDMI端子に挿し替えてみましたが、画面に何も表示されてないですね。
ドリル北村:ああ、ひょっとするとビデオカードが古すぎたかな。マザーボード側が対応していないせいかもしれないね。
私:では、次に気になっていた「GeForce GTX 950」にしてみます。
私:あ、起動できました! 画面が映りましたよ!
ドリル北村:やったね!
まさかのASRock原口さんが登場!?
CPU&ビデオカードを換装し、これでめでたしめでたしと締めくくろうとしたとき、突然編集部のドアが開いた。そこにいたのは、なんとASRockの原口氏だった。待たせたなといわんばかりに登場した大物ゲストに、私はただただ驚くしかなかった。
私:え、原口さん!? どうしてここに?
原口氏:いやー、アスキー編集部の1人が自作に目覚めたという噂を聞きつけましてね。(私が自作したゲーミングPCを見つけて)お、これはこれは……。
私:どうですか?
原口氏:これ、かなり古いビデオカードですよね? うーむ、なんか物足りないっすねぇ~。せっかくASRockのマザーボードを使ってるのに、もったいない!
私:え、えぇー!?
原口氏:せっかくなので、激ツヨなゲーミングマシンを作ってみたいと思いませんか? なので――
原口氏はリュックサックからとあるものを取り出した。それはASRockの「Radeon RX 6700 XT Phantom Gaming D 12GB OC」だった。
私:わぁっ! え、いいんですかっ!?
原口氏:あ、いっておきますが、こちらは「あげる」ではなくて、「貸して"あげる"」ですからね。なんせ貴重なものなので……。
私:あ、で、ですよね、アハハ……(ほしいなぁ)
ドリル北村:まぁ、いつかビデオカードが手に入りやすくなったら自分で買おうね。さっそくビデオカードを換装してみようか。
Radeon RX 6700 XT Phantom Gaming D 12GB OCは、ASRockがゲーム向けに展開している「Phantom Gaming」シリーズのミドルレンジ向けビデオカード。冷却性能に優れたオリジナルクーラー「Phantom Gaming 3X Cooling System」や、GPUコアにかかる負荷が低い状態では、ファンの回転を停止する「0dB サイレントクーリング」といった機能を搭載する。価格は約12万6000円。
私:ビデオカードをスロットに挿し込んでから、補助電源を……っと
ドリル北村:おっと、コネクターがちゃんと挿さってないぞ。6+2ピンのコネクターは、2ピンが奥まで挿し込まれていないことが多いから要注意ね。
私:できました!
ドリル北村:おお、いいじゃない。さっきよりも見映えがよくなって、ゲーミングPCらしくなってきたね。
原口氏:いいっすね! グレイトっす!
当初は10万円に収まる最小限の構成でゲーミングPCを組み立てたが、予想外の連続によって強力なゲーミングPCにグレードアップした。プラモデルの感覚で組み立てたらそれで終わりではなく、組み立てた後も自分好みの構成にカスタマイズできる。それが自作の醍醐味といっても過言ではない。
こうして、自作ほぼ初心者による自作挑戦は終わりを迎えた。何事も起こらずに済んで何よりだったが、今後2台目のPCを組み立てる際は自力で挑んでみたいものだ。自作、面白いなぁ……。
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