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わずか1msの低遅延、オーディオテクニカの楽器用ヘッドホンでゲームしてみた

2021年05月10日 13時00分更新

操作より先に音が出ていると脳が錯覚するほど早いレスポンス

 ゲームではどうだろうか? 私自身、音ゲーなどには馴染みがないので、割と好きな「リアルタイム忙しマネージメント系」ゲームのFTL(Faster Than Light)で試してみた。古いゲームだが最近突如として日本語サポートも含めたVer2.0がリリースされてファンを驚かせた。

 FTLはリアルタイムの操作がバタバタと求められるゲームだ。有線ヘッドホンであれば、ワープボタンを押したと同時にズーンという効果音が聞こえるが、Bluetoothヘッドホンを繋いでいると1テンポ遅れて効果音が聴こえる。銃火器の発射音も同様で、これはいささか興を削いでしまう。

 そして、画面全体を観る余裕がなく、効果音でタッチ操作の確認をして次の操作に移るなど、随所に効果音を頼りにしないといけないシーンがある。例えば、敵船のシールドをミサイルで破ったら、間髪入れずにテレポートさせて攻撃チームを送りたいが、自船自体が敵チームに侵入されていて対応に手一杯……という状況だ。

 ATH-EP1000IRは、ゲームをやってもかなり高音質だと感じる。

 立体感がとても高いサウンドで効果音の解像感が高く、バーン・ドンという破裂音も迫力がある。肝心の遅延についても、恐ろしいほどにまったくずれを感じない。操作はもちろん、ミサイルが目標を破壊するその瞬間に爆発音が聴こえる。Bluetoothイヤホンで感じるような明らかな遅延がないのはもちろんだが、わずかなズレさえもない。逆に自分の脳がその状態に違和感を感じるのか、画面上の動作よりも音が早く出ている印象を持つほどだ。

送信機の小型化もしくは気にならない設置手段を期待したい

 ほかには、iPadでピアノアプリを使ってみた。こちらも打鍵と同時に音が出るように思える。普通のBluetoothヘッドホンでは一瞬遅れて音が出るのが素人の私でも分かる。

付属品の一覧

 このシステムでは、有線ケーブルでタブレットとトランスミッターをつながなければならないので、実用的な意味ではワイヤレスの長所が相殺されてしまう。ただし、実験的な意味ではなかなか面白い体験だった。

 ゲーム機でもコンソールのように本体とコントローラが別になっていれば実用的かもしれない。2~3mはある長いヘッドホンケーブルを省略できるなら有益だろう。トランスミッター自体が小型化し、AUDEZEのPenroseのようにドングルタイプになれば、なかなか面白いものになっていくかもしれない。

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