マンションを意識したスリムな外観
だが、課題もあった。「第1弾製品では、横幅が830mmだったため、一戸建ての人たちが購入の85%を占めており、マンション居住のユーザーからは、マンションのキッチンにも置けるスリムな幅の製品を発売してほしいという要望があった」という。
そこで今回の製品では、「マンションにもおける最適解」(AQUAの山本氏)として、700mm幅にすることを決定。世界ナンバーワンの冷蔵庫メーカーである親会社のハイアールが持つグローバルリソースと、AQUAが日本に開設しているR&Dセンターが、スペシャルプロジェクトチームを結成。深澤氏のデザインと、東京海洋大学の鈴木徹教授による食品冷凍に関する知見を組み合わせて、1年という短期間で製品化した。
吉田代表とは、「700mm幅としたことで、日本国内の約7割の住居で設置ができるようになる。都市部のマンションでも、ラグジュアリーな冷蔵庫が設置できる。⽇本市場にマッチした⽇本設計、日本開発の商品」と自信をみせる。
500Lクラスの冷蔵庫と同じ冷凍室を装備、コロナ禍も背景
新製品は「冷蔵庫新時代、加速」がキャッチフレーズだ。
同製品の特徴は、デザイン性だけではない。冷蔵庫としての基本性能や使い勝手も追求している。
たとえば、146Lの大容量冷凍室は、2ランク上の500L冷蔵庫とほぼ同じ容量であり、6つのボックスに分かれているため、庫内の整理にも便利な構造となっている。これもニューノーマル時代にあわせた仕様のひとつといえる。
同社の調査によると、買い物頻度が週1回以下という人は、コロナ前には28.9%だったものが、コロナ禍では39.8%にまで増加。それに伴い、1回あたりの買い物の量が増えているという。また、冷凍保存を使う頻度が増えた人は44%、冷凍食品の購入が増えたという人は約29%に達しているという。
「おうち時間が増加したことで、家事の効率化のために、調理前に食材をカットして冷凍保存したり、食材に下味をつけて冷凍保存したり、調理済みの料理を冷凍保存するといったホームフリージングが増加している。また、冷凍⾷品の買い置きニーズが増加している。こうしたことが、大容量冷凍庫のニーズの高まりにつながっている」という。
第1弾製品の購入理由では、冷凍室の容量は37%で3位であったが、2020年の調査では12ポイント増加し、49%と半分の人があげている。順位も1位のデザインに次いで2番目となった。
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