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普及が進む、新4K8K放送対応機器、一方で購入動機は放送視聴ではないという現実も

2021年04月28日 09時00分更新

「4K8K放送を観たい」が購入動機にはなっていない現実

 一方、「4K8K放送市場調査」では、テレビ購入時の情報入手経路についても調査している。ここでは、「家電量販店の店頭」が59.6%と突出。価格.comなどの「比較サイト」が28.6%、「メーカーのホームページ」が25.4%となっている。 また、4K8Kテレビの満足度という点では、所有者の83.9%が4K8Kテレビについて「満足」と回答。前回調査から2.3ポイント上昇した。満足している理由では、「現在の地上波などの放送が、きれいな画質で見られるから」が最も多く41.2%となり、次いで、「画面サイズや価格などが購入の際、一番よかったから」との回答が35.5%となった。「新4K8K衛星放送の番組、あるいは4K8K映像を見ているから」という回答は23.9%となり、前回調査の30.8%から6.9ポイント減少した。

 4K8Kテレビの購入の際には、新4K8K衛星放送の視聴体験の提案が起爆剤にはなっていないことが浮き彫りになったともいえる。

 一方、4K8Kテレビに対する不満では、機器に関しては、「チューナーの設置が面倒」が24.1%と最も多く、「4K8Kテレビの価格が高い」が20.0%、「新4K8K衛星放送を見るために別途チューナーが必要である」が20.0%となった。また、放送に関する不満では、「4K8K画質の番組が少ない」が最も多く、24.8%となったほか、「新4K8K衛星放送で面白い番組がない」が14.5%となった。

コンテンツという起爆剤が求められる

 新4K8K衛星放送は、まだ視聴者数が少ないため、広告出稿が少なく、それが番組制作費の拡大にはつながらないことになり、4K8Kビュア番組の数が増加せず、結果として、放送に魅力を感じず、4K8Kテレビの販売と放送視聴がなかなか伸びないという状況にある。

 いまは、東京オリンピック/パラリンピックという起爆剤があり、同時に、2011年の地デジへの完全移行を前に購入したテレビの買い替え需要の取り込みも想定される。 だが、新4K8K衛星放送の視聴者数が少ないこと、普及台数がまだ少ないことを考えると、新たな普及策を業界としても考えていかなくてはならないタイミングに入ってきたともいえそうだ。

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