スピーカーとして音楽再生のバランスも良好
続いてEcho Show 10のAV性能もチェックしてみた。Echo Show 10の円筒形の本体には1インチのトゥイーター2基と2.5インチのウーファー1基を合わせて、単体でステレオ再生ができる2.1chのスピーカーシステムが搭載されている。
Amazon Music HDの再生は44.1kHz/16bitのロスレス再生までがサポート対象となり、プレミアムモデルのAmazon Echo Studioが再生できる3D Music(ドルビーアトモスと360 Reality Audio)やハイレゾ再生には非対応とした。
Alexaから音声で操作できるサブスクリプション系音楽サービスにはAmazon Musicのほか、Spotify、Apple Music、AWA、dヒッツにauうたパスがある。ラジオ系ではradiko.jp、TuneInが対応する。なお、動画系サービスはAmazonプライム・ビデオ、Netflix、ひかりTV、ParaviがAlexaから操作可能。Amazonプライム・ビデオで連続ドラマを見たい場合は「作品名/シーズン/話数」まで音声操作で指定ができた。
新しいEcho Show 10はスピーカーシステムの手前側にディスプレイが“ついたて”のように配置されているため、音の聞こえ方に影響が出ないのか気になった。結論から言えば、ディスプレイの影響によって音がこもったり、聞こえづらくなることはないように思う。ただ本機の音づくりの傾向として、ボーカルや楽器の音を正面からガツンと力強くぶつけてくるタイプではなく、ワイドで見晴らしの良い音場の豊かさを再現する方に注力しているように思う。
音のバランスがとても中立的で嫌なクセがないため、長い時間聞いていても疲れにくいと感じた。高・中・低域の音のバランスをカスタマイズできるシンプルなイコライザー機能もあるので、もっと伸びやかなボーカルを聴きたい時、ダンスミュージックのビートを鳴らし込みたい時などに活用すると良いだろう。
力強い映像。画面分割表示にも対応した
10.1インチのHDディスプレイは解像度が1280×800画素。明るく力強い画質を持ち味としている。
画面部分が回転するスマートデバイスとしては、置き場所を考えるともう一回りほど小さい8インチ前後のディスプレイの方が設置しやすいように思えるが、やはりAmazonプライム・ビデオで映画やドラマを再生すると、10インチ台の画面だからこそ味わえる迫力感があることもわかる。
Echo Show 10にはディスプレイの表示を分割して、同時に2つのサービスの情報を表示する機能がある。例えばAmazonプライム・ビデオを再生中に「アレクサ、明日の天気を教えて」と声をかけると、画面の右側1/3ほどのスペースに天気予報の画面を重ねて表示する。これもまた10インチの大きな画面だからこそ活きる機能だろう。
Alexa独自の通話アプリによるグループ単位のビデオ通話は最大7人まで参加できるようになった。アメリカではEcho ShowシリーズがZoomによるグループ通話にも対応したと聞く。Echo Show 10シリーズにはユーザーがいる方向に常時カメラを向けながら、画角の広いレンズで捉えたユーザーの姿をセンターの位置に合わせて表示したり、Bluetooth対応のヘッドホン・イヤホンにワイヤレスで音声を飛ばせる機能がある。Zoomなどサードパーティの定番ビデオ会議サービスに対応が広がると、今後は在宅ワークに役立つビジネスツールとしても注目されるのではないだろうか。
訂正:ビデオ通話の最大人数が当初の発表と異なることが分かったため本文を修正しました。(2021年5月10日)
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