週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

顔認証や電子チケットで快適熱狂型の観戦を、ジャイアンツ×東京ドームDXプロジェクト

2021年03月25日 09時00分更新

入場および売店で顔認証を導入

 ジャイアンツ×東京ドームDXプロジェクトの具体的な取り組みをみてみよう。

 まずは、2021年シーズンの巨人戦では、すべての入場口に、バーコード認証によって入場できる「自動ゲート」を配置。「もぎり」と呼ばれる係員の手によるチケット半券回収を全廃するという。年間契約席やプレイガイドで販売されたすべてのチケットのバーコードを読み取ることができ、紙のチケットだけでなく、スマホに表示したバーコードも利用できる。

利用イメージ(顔認証決済)

利用イメージ(顔認証入場)

 自動ゲートは、東京ドーム構内に入る回転扉の前に設置されるが、可搬型となっているのが特徴で、独自のチケットなどを使用するコンサートや各種イベントでは、自動ゲートを撤収できる。しかも、電源コード以外の接続は不要であるため設置が容易であり、読み取ったバーコードは、Wi-Fiなどの無線を使ってシステムと連携。それによって、管理を行う。「スタジアムのために開発された特注品である」という。また、自動ゲートでは、1人が同行者の分を一度に認識させて、一緒に通行したりといった機能も備えている。

巨人戦のすべての入場口に設置される「自動ゲート」

 自動ゲートの設置とともに、電子チケットの利用も促進する。

 ジャイアンツ公式アプリである「GIANTS APP」から、電子チケットを購入でき、これをLINEや電子メールを利用して、同行者と手軽に共有することができる。

 また、2022年シーズンからは、「巨人戦での飲食物やグッズなどの買い物はすべてキャッシュレスになる」という。それに向けて、2021年シーズンでは、これまでのクレジットカード、電子マネーに加えて、二次元バーコードでの決済を新たに導入。プリペイドカードも利用できるようにした。

弁当や飲み物を「モバイルオーダー」できる売店は8カ所

 使用できるクレジットカードは、JCB、VISA、Mastercard、Dinners Club、American Express、Discover、銀聯。電子マネーでは、QUICPay、nanaco、交通系カード、iD、楽天Edy、WAON、各種NFCが使用できるほか、PayPay、d払い、楽天ペイ、Alipay、WeChat Pay、Smart Code対応ブランドでのコード決済も利用可能だ。そして、東京ドーム内に入った後は、スマホなどから、弁当や飲み物を「モバイルオーダー」も利用できるようになる。現在、利用できる売店を8カ所に設置。利用者は、GIANTS APPなどを使って、店舗を選び、商品を選択。クレジットカードで決済すれば、表示される2次元バーコードを店頭にかざすだけで、専用窓口から、すぐに商品を受け取れる。

チケットのバーコードを読み取っている様子

 「スタジアムのなかを回って買い物をする楽しみ方もあるが、年間に何度も来場している人や、気に入っている食べ物や飲み物がある人には、便利なサービスになる」というわけだ。

 さらに、Wi-Fi接続も、公式アプリ「GIANTS APP」からの接続に加えて、2021年からは、メールアドレスのみで登録できる「GIANTS ID」によって、「GIANTS Wi-Fi」を利用できるようにする。

 自動ゲートや電子チケット、キャッシュレスによって非接触が増えることは、新型コロナウイルス感染症対策にも効果があるが、さらに、「TOKYO DOME ALERT」を活用。感染者が発生した場合に、接触の可能性が高い人に連絡したり、トイレの混雑状況を4段階で通知したり、ゲート付近の混雑状況を3段階で確認できるようにしている。東京ドームの利用者には登録を促しており、密を避け、安全性を高めるほか、施設の利便性向上と混雑緩和を図ることを目指している。

 また、同プロジェクトでは、女子トイレを従来の1.7倍に拡大するといった取り組みも行っており、新設した女子トイレの一部には、子供用の小便器やおむつ交換台も用意。「東京ドームで試合を観戦したいが、トイレを使用する際のストレスで足が遠のいていたという女性の来場者にも、安心して東京ドームに来てもらえる」としている。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事