密閉性を確保するため、イヤーチップの選択は重要
直方体の本体のふたは前後に開閉する仕組み。イヤホンはフェイス部を内側にして収納されており、中央のスペースを指がかりにして取り出す。イヤホンの重量に対して、マグネットが強めのため、やや注意深く取り出す必要はあるが、分かりやすい仕組みだ。
円筒形のイヤホン本体は軽くてコンパクト。遮音性は低めなので、装着時には、意識して深く耳穴に差し込んだ方がよさそうだ。耳のサイズに合ったイヤーチップの選択も重要になると思う。一般的なシリコンタイプに加え、低反発タイプが付属するが、密閉性や軸の硬さが音質に与える影響は少なくないため、評判のいいSpinFitのイヤーチップなども選択肢に入れたい。
パッケージには左右のイヤホンをつなぐひもも付属している。完全ワイヤレスイヤホンは、ケーブルの取り回しがないのがメリットだが、それが故のデメリットもある。
屋外で利用していると、コンビニやカフェのレジなどでちょっとだけ外したい場合などに困るし、大きく動いた際に外れると遠くに飛んで行ってしまうこともある。左右をひもでつないでおけば、片側だけ外した際に肩にかけておけるし、意図せず外れても紛失しにくい。 外音取り込みの機能を使えばいいという考え方もできるが、起動には4~5秒の間が空く(2秒の長押し+起動時間)ので、緊急時にはもどかしく感じることがある。
滑らかでゆったりとしたボーカルが魅力
音質については、高域をあまり強調せず、全体にマイルドな鳴りをする。ここはAVIOTのほかの機種とも共通する部分。弦や管楽器のハリなどは控えめだが、包まれるように広い音場を感じられるし、子音が刺さらず、滑らかなボーカルの表現なども特徴的だ。ゆったりと音楽の世界に浸りたい人に向いている。
BA型ドライバーを利用しているためか、以前紹介したノイズキャンセル対応の完全ワイヤレス「TE-D01m」よりも細かい音を拾い、繊細さが増す印象を持った。
また、やや腰高なTE-D01mに比べ、中音域の再現に余裕がある。価格差は数千円程度と大きな差はない。ノイズキャンセルにこだわるならTE-D01mだが、そうでないなら、楽曲の細かなニュアンスが伝わるTE-BD21jをおすすめしたい。
低域についても問題のないバランスだが、うまく密閉できないと音抜けが生じて、量感が少し足りないように聴こえる。低音が物足りないと感じた場合は、イヤーチップの変更を試すといいだろう。個人的には標準のシリコンチップよりも、低反発タイプのほうが圧倒的に良い印象を持った。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります