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多機能が詰まったAVIOT「TE-D01m」

クアルコム最新規格に加え、ノイキャンにも対応する完全ワイヤレス

2021年03月02日 19時00分更新

フィット感が良く、遮音性の高さを感じる

 音調はウォームな傾向。高域・低音ともにあまり刺激的ではなく、優しい印象だ。解像感の高さやレンジ感の広さよりは、聞き疲れのしにくさを重視する人に向いている。ジャンルとしては、アコースティックなものよりは、ロックなどに合いそうだ。

 ノイズキャンセルのオンとオフは右側イヤホンのタッチセンサーの長押し、外音取り込みのオンとオフは左側の長押しで切り替えられる。

 ノイズキャンセリングは、部屋など静かな場所ではそれほどではないが、往来の多い路上など、低騒音が多い環境に出ると効果を感じる。また、室内でも空調の音など定常的にノイズがある場合は、効果的に消してくれる。無音状態で使うと、若干残留ノイズが気になる面もあるが、十分な性能を持つものと言えるだろう。

 メーカーの説明文にもあるように、音楽の中心となる中音・高音に関しては信号処理の手を加えず、劣化をなくす考え方で開発された製品と言えそうだ。TE-D01mは筐体自体の遮音性がかなり高く、フィット感もいい。筆者の意見としては、ノイズキャンセリング機能は完全ワイヤレス機では必須ではなく、本体そのものの遮音性のほうがより大切なので、考え方は理解できる。

 マイク性能については、完全ワイヤレスイヤホンは、口から離れた位置(かつ後方)にマイクを置かざるを得ないため、不利な面がある。また、周波数帯域もそれほど広くはない。最近のスマホのマイクは高音質化が進んでいるため、少し物足りなさがあるが、声の収音であれば問題ないレベルだ。

 外音取り込みの質については、この価格帯の機種では平均的なところで、AirPods Proのように精度の高い機種と比べるとやや自然さに欠ける面がある。とはいえ、静かな室内で長時間使う場合には気になるが、散歩やジョギングなど屋外で利用する際に、周囲の状況を知るために使うといった用途であれば役割を果たすだろう。本体の遮音性が高いぶん、屋外利用時にこういった機能は必須と言える。

 使い勝手の面では、人感センサーなどはないため、耳から外した際にも音楽は再生中のままになるが、ケースに入れると自動で接続が切れる。電池の節約という意味では使用しない場合はケースにすぐ入れるのがいいと思う。

 最後に、aptX Adaptiveの実力について。Android 11搭載のスマートフォン数機種でaptX系コーデックで接続して確認した。iPhone接続時と比べて高域の伸びや抜け感が増し、低域も弾むようにメリハリ感が出るなど、明確な差を感じた。ただ、iPhone接続時(AAC)の帯域バランスもよく整っていた。全体に聞き取りやすく、まとまり感のある音だった。

 音源の持つ情報をより詳細までということであれば、aptX Adaptiveに対応した最新Androidスマホとの組み合わせがいいということになるが、上述したTrueWireless Mirroringの恩恵は、iPhoneでも得られる。iPhoneとの組み合わせでも魅力を感じられそうだ。

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