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Radeon RX 6800 XTの性能を最も引き出せたCPUをゲーム12タイトルで検証する

2021年02月19日 11時00分更新

Coffee Lakeを置き去りにした「F1 2020」

 続いては「F1 2020」で検証してみよう。画質は“Ultra High”、アンチエイリアスは“TAA”とした。ゲーム内ベンチマークモードを利用してフレームレートを測定しているが、コースは“Monaco”、天候は“Very Wet”を選択している。

「F1 2020」1920×1080ドット時のフレームレート

「F1 2020」2560×1440ドット時のフレームレート

「F1 2020」3840×2160ドット時のフレームレート

 1つ前で使用したCivilization VIよりもさらにRyzen 5000シリーズの優位性が示された結果には驚いた。10C20TのCore i9-10900Kですら、Ryzen 5 5600Xに遠く及ばない。4Kまで解像度を上げ強烈なGPUバウンドの状況を作り出してはじめて、第10世代CoreプロセッサーとRyzen 5000シリーズの差がほぼみられないという状況になる。フルHD〜WQHD領域ではRyzen 5000シリーズ以外を選ぶメリットはないといえるだろう。

 また、Ryzen 5000シリーズのコア数と平均フレームレートの関係に目を向けると、フルHDではコア数の多いモデルがより良い結果を出しているのに対し、WQHDや4KではCPUのコア数の差がまったく出なくなる点も面白い。フルHDではCPUバウンド、それより上の解像度ではGPUバウンドになるためだと思われるが、ゲームではあまり強くないとされていたRyzen 9 5950Xでも、ゲームによっては他を圧倒することがある、ということだ。

「Dirt 5」ではRyzen 5 5600Xが強かった

「Dirt 5」はF1 2020と同じレース系ゲームだが、結論から言えば全く違った傾向を示したタイトルだ。画質は“Ultra High”に設定し、動的設定変更系の機能は無効化している。RX 6800 XTのレビュー後編(https://ascii.jp/elem/000/004/035/4035398/)ではDXR対応のβビルドを使用したが、今回は正式版(DXR対応は未実装)で検証している。フレームレートの測定はゲーム内ベンチマーク機能を利用した。

「Dirt 5」1920×1080ドット時のフレームレート

「Dirt 5」2560×1440ドット時のフレームレート

「Dirt 5」3840×2160ドット時のフレームレート

 F1 2020ではコア数の多いRyzenが強い傾向があったが、Dirt 5ではむしろコア数が多いRyzenは不利になることが示された。注目したいのはフルHDでは第10世代CoreプロセッサーがRyzen 9 5950Xや5900Xを上回る結果を出していたが、4Kでは逆転されている。フルHDで第10世代Coreプロセッサーに負けているのがRyzen 9だけということから考えると、CCDまたぎによる速度的ペナルティーに足を引っ張られていると推測することができる。

最低fpsに差がついた「Assassin's Creed Valhalla」

 ここから先は重量級ゲームでの検証としよう。まずは「Assassin's Creed Valhalla」を利用する。画質は“最高”とし、ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを測定した。

「Assassin's Creed Valhalla」1920×1080ドット時のフレームレート

「Assassin's Creed Valhalla」2560×1440ドット時のフレームレート

「Assassin's Creed Valhalla」3840×2160ドット時のフレームレート

 まず平均fpsだけに注目すると、どのCPUでも五十歩百歩どころか、せいぜい2fps程度の非常に小さい範囲にまとまっており、CPUのパワー差はまったく感じられない。しかし最低fpsに目をむけると、第10世代CoreプロセッサーはRyzen 5000シリーズよりも最低fpsがより低い傾向が確認できる。さすがに4Kになると最低fpsの差がほぼ観測できなくなるが、フルHD〜WQHDではRyzen 5000シリーズがの方が快適と言える。

「Horizon Zero Dawn」では微妙にRyzen有利

 続いては「Horizon Zero Dawn」だ。画質は“最高画質”に設定し、ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを測定した。

「Horizon Zero Dawn」1920×1080ドット時のフレームレート

「Horizon Zero Dawn」2560×1440ドット時のフレームレート

「Horizon Zero Dawn」3840×2160ドット時のフレームレート

 Core i5-10600Kだけが平均fpsにおいて低い結果を示しているが、それい以外のCPUであれば、平均fpsに大きな差はないといえる。最低fpsはRyzen 5000シリーズが割と良い結果を出している感じもするが、相変わらず最低fpsはブレが大きい(3回計測して最低fpsの中央値を出したデータを採用している)ため、フルHDでは参考程度にとどめておきたい。

 ただ解像度WQHD以上になると最低fpsのブレも小さくなるので、ここの点においてはRyzen 5000シリーズの方がフレームレートの落ち込みが少なくて優秀といえるだろう。

「Red Dead Redemption 2」でも最低fpsに差がついた

 続いては「Red Dead Redemption 2」で試してみる。このタイトルもResizable BARが最適fps改善に多大な貢献をすることがわかったタイトルである。画質は精密度プリセットを最大(右端)とし、フレームのバッファリングもオフ設定している。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測した。

「Red Dead Redemption 2」1920×1080ドット時のフレームレート

「Red Dead Redemption 2」2560×1440ドット時のフレームレート

「Red Dead Redemption 2」3840×2160ドット時のフレームレート

 このゲームにおいてもRyzen 5000シリーズはCPUパワーの差が平均fpsに及ぼす影響は極めて小さい。だが第10世代CoreプロセッサーはCPUのコア数に平均fpsが影響されることが分かる。全体的にはRX 6800 XTのパフォーマンスを十全に引き出せるのはRyzen 5000シリーズと言って間違いない。

 ただ最低fpsについてはCPUパワーの影響が結果に表れている。一般にコア数の少ないCPUほど最低fpsの落ち込みが小さい。Ryzen 9 5950Xの方が5900Xよりも良い結果を出せているが、その差は極めて小さい。ただ解像度を4Kまで引き上げると強いGPUバウンド状態になるので上位GPUでも差がなくなる点にも注目しよう。

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