ソニーネットワークコミュニケーションズは2月8日、映像とAIを活用してコーチングをサポートし、練習効果を向上させるというスイミングスクール向けのシステム「スマートスイミングレッスンシステム」を開発したと発表。ルネサンスが運営するジュニアスイミングスクールに本システムの導入を開始し、全国のスクールで「スマートスイミングレッスン」として順次サービスを展開する。
本システムでは、壁面や水中などプールに複数のカメラを設置して映像を撮影。レッスン中、生徒は泳いだ直後にプールサイドのタブレットで自分の泳ぎを動画でチェックでき、ビジュアルによる気づきや学びにつながるという。
また、当社が新たに開発したAIアルゴリズムにより、撮影した複数カメラの水面・水中の映像から泳いでいる人を検出し、最適なアングルを組み合わせた動画コンテンツに自動編集して、クラウド経由で個人別ページに配信できる。このシステムにより、スマホなどを通じて離れた場所にいる保護者に動画とともに進級テストの結果を届けることが可能になる。
レッスン前に個人別ページにお手本動画とレッスンのテーマ(めあて)を配信することにより、手持ちのスマホなどから予習ができる。レッスン中は、コーチがお手本動画を用いて説明。プールサイドのタブレットで、コーチが予め設定した秒数分遡った映像を再生でき、生徒は操作することなく、泳いだ直後にその場ですぐに動画を見られる。
本システムで自分の泳ぎをビジュアルで確認することで課題に気づき、また映像で上達を実感できることでモチベーションが向上し、積極的な学びにつながるとする。ジュニアレッスンから、育成コース、成人等、成長やレベルに応じて幅広く活用可能。
進級テストの結果は、動画とともに保護者に届けられる。進級テストはコーチ用管理アプリケーションを利用して生徒ごとに管理。テスト本番の泳ぎを、生徒ごとに、複数カメラから1本の動画コンテンツにAIで自動編集し、テスト結果・コメント・動画をクラウド経由で個人別ページに配信できる。
一般的にスイミングスクールでは泳いでる人数の多さに加え、水面の揺れや光の反射・屈折の影響もあるため、画像認識の難易度が高いと言われている。本システムでは独自のAIアルゴリズムの開発により、映像から被写体を追従して複数カメラから最適なアングルを組み合わせた動画の自動編集を可能にし、グループレッスンで実用化している。
アプリケーションは現場のコーチと一体となり、トライアルを重ねて開発。グループ指導での運用のしやすさを考慮し、レッスン中でも操作しやすい画面デザイン、生徒の操作なく動画再生できるシステムなど、安全配慮が必要なスイミングスクールでもスムーズに操作できるUI/UXを実現したという。
プール内であることに配慮し、防水対応を施してソニー製小型リモートカメラを設置。独自開発の水中カメラは4Kの高画質録画に対応し、コーチが手軽に持ち運べるようおよそ4㎏と軽量化。従来、水中からの映像は特別な施設でないと見られなかったが、本システム導入により、スイミングスクールでの4Kの水中映像の録画が可能になる。
個人別ページは、進級テスト結果・お手本動画・コーチからのメッセージなどをクラウド経由でセキュアに配信でき、スイミングスクールで過ごした思い出や頑張った記録を残せる。
本システムによりレッスンやスクール運営の付加価値向上を図れるほか、映像などデジタル化された情報を活用することで、スクールの顧客満足度向上につながるとする。また、指導ノウハウ等をデジタルコンテンツ化し、スイミングスクールの指導現場で活用できる形で提供することで、レッスン品質管理にも活用できる。
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