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見えざる家事からの解放、コネクテッドになっても変わらない日立家電の思想とは?

2020年12月21日 09時00分更新

グローバルパートナーと補完し合いながらの家電展開

 日立GLSは、日立グループの家電事業を担う企業だ。

 ここ数年、積極的な事業構造改革に取り組んでいる。

 2015年10月には、ルームエアコン「白くまくん」シリーズなどを展開する空調事業において、ジョンソンコントローズと、合弁会社であるジョンソンコントロールズ日立空調を設立。出資比率は日立が40%と。マイノリティの出資比率という関係で、日立ブランドの空調事業を推進している。

 「日立GLSの高い技術力とジョンソンのグローバルネットワークを融合して、事業を強化し、空調事業のデリバリー力を強化できた。省エネ、環境配慮といったビジョンを共有し、地域や製品における補完性があり、日立ブランドの積極的な活用が成功につながった。2014年度には約7%だった日立の空調事業のEBIT率は、2019年度には約13%になっている」と谷口社長は振り返る。

 また、2019年4月には、家電および空調の販売、サービスを行ってきた日立コンシューマ・マーケティングと、家電の設計、製造および空調の販売、サービスを行ってきた日立アプライアンスの統合により、経営の効率化を実現。社名を現在の「日立グローバルライフソリューションズ」に変更した。

 今年に入ってからは、家族型ロボット「LOVOT」を開発しているGROOVE Xとの資本業務提携を発表。GROOVE Xの技術を、日立GLSの商品開発に活用するほか、LOVOTとコネクテッド家電が連携することで、顧客に合わせた快適な住環境を提供する新たな商品やサービスの提供につなげるという。「家電制御やデータ連携など、新たなソリューションを拡充するほか、日立GLSのアフターサービス網を活用して、GROOVE Xの事業を強化。家庭での活き活きとした暮らし、心を楽しくサポートするといった価値を提供できる」(谷口社長)としている。

 そのほかにも、在宅勤務の増加によって増えている家事の負担を軽減するための家事代行マッチングサービスの実証実験を開始したり、東京大学高齢社会総合研究機構との産学連携により、家電やセンサーで収集した生活データから、フレイルの予兆を検知する技術開発に着手したりといった取り組みを開始。日立GLSが展開しているCPC(細胞培養加工施設)ソリューションでは、再生医療等製品に関してバイオ3Dプリンタで展開するサイフューズや、創薬研究やiPS細胞研究などにおいて自動化装置を開発するローツェライフサイエンスとの協創を開始。日立GLSが、東京・日本橋に設置している再生医療イノベーションセンタを利用して、各装置を組み合わせた運用の検証を実施し、医療機関や製薬メーカーが、安全で高度な医療環境を容易に構築できる支援も行っている。

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