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病理医負担軽減を目指す

オリンパス、国内医療機関とAI病理診断の実用化に向けた研究を開始

2020年11月16日 19時30分更新

(1)AI病理診断支援ソフトウェアの開発・評価
(2)収集した胃生検標本のデジタル化と診断検証
(3)匿名化した胃生検標本と病理診断結果の提供と教師データの作成

 オリンパスは11月16日、病理医負担軽減に向け、呉医療センター・中国がんセンターとの共同研究において、第2フェーズAI病理診断支援ソフトウェアの実用化に向けた多施設研究を開始したと発表した。

 同社は、呉医療センター・中国がんセンターの病理診断科(兼臨床研究部腫瘍病理研究室)と、2017年から共同研究を行なっている。研究の第1フェーズでは、病理医の負担軽減を狙いとした感度100%、特異度350%の精度をもつ胃生検材料を用いたAI病理診断支援ソフトウェアを作成した。

 2020年11月より研究の第2フェーズを開始し、製品化に向けたAI病理診断支援ソフトウェアの汎用性検証および精度向上を図る。呉医療センター・中国がんセンターを含む国内6施設で病理診断済みの胃生検標本から教師データを作成。オリンパスでは教師データ約2000件を学習させる予定で、施設ごとに厚みや色味など病理標本に差異がある場合でも、AI病理診断支援ソフトウェアが同様の判断を下せるように改良を図る。そして2023年までに多施設におけるAI病理診断支援ソフトウェアの汎用性確立および精度向上により、病理医の負担低減を目指す。

 AI病理診断支援ソフトウェアの研究に参加する施設は、呉医療センター・中国がんセンター、大阪医療センター、四国がんセンター、長崎医療センター、広島記念病院、呉市医師会病院。

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