週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

レースクイーンもあるよ!

D1オートポリス戦はTOYO TIRES大活躍で藤野選手が100点を連発!

2020年11月12日 12時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 撮影●栗原祥光

これはアリなのか!?
採点マシンの盲点をついた走りに衝撃が走る!

末永選手先行の2本目。後追いする川畑選手は末永選手が想定とは異なるラインを通ったため、ドリフトが戻ってしまう(フロントタイヤの向きが末永選手と異なっている)

本来はアウト側にあるゾーン3を通過しなければならないのだが、明らかにイン側を走行。ゾーン不通過減点2があっても、乾いた路面で安定したドリフトをしてDOSS得点を稼いだ方が得策であるという判断からだ

 川畑選手1ポイントリードの2本目。川畑選手は終始ピタリと走行。しかし末永選手は再び80Rを小さく旋回。川畑選手は本来のラインとは異なるラインに上手く合わせることができなかったばかりか、インカットしてしまい、5点減点。末永選手はDOSS得点98に対してゾーン3不通過の2点減点で96点。川畑選手はDOSS得点93に後追いポイント3、そしてインカット減点5の91点となり敗退。単走順位の結果から、川畑選手の3位が決定しました。

川畑選手先行の1本目。先にゴールしてしまう末永選手

 この本来とは異なる走りではない者が勝利した(?)といえるこの裁定に対し、川畑選手は怒りを露わ。記者会見で「追走競技は先行車にいかについていくのかというもの。DOSS得点を得るために後追いを放棄して、さらに抜いていくとはどういうことか?」と憤りを隠しませんでした。

2本目、本来とは異なるラインに合わせようとするも、インカットしてしまった川畑選手

 さらに2本目に対しても「自分にもミスがあったのは認めます。ですがチームの戦略かドライバー判断かわかりませんが、本来あるべき走りをせず、DOSSの得点だけを狙う走行はおかしい。このような走行を許しているようでは、D1に未来はありません」と強い口調で抗議の姿勢を見せました。

 この裁定に対する公式見解は出ておりませんが、実況を担当した鈴木 学さんは、あくまで個人的見解としながらも「今回のケースに対する規定がないことが問題」とFacebookでポスト。「1本目、先行車のミスではない形で追い抜いたことに対して、減点を与えたいのですがその規定がありません」と解説。「先行が指定された規定のラインで走行し、かつ失敗もしていないときに後追いが抜いてしまう走りには減点を適用する、と明文化するべき」と提案。

 そして2本目についても「ラインが完全に交差しますから、川畑選手は振り出せずにまっすぐになってしまいました。現状ではこれが失敗となり負けとなるでしょう。先行がそういうラインで行くと判断してぶつからないよう合わせて行けばよかったとは思うのですが、最初から小さいラインで行きなさいとは言っていません。先行車は単走通りの走りで外側のゾーンを目指さなくてはならないのです」と2本目の状況を解説すると共に本則を語ります。ルールの盲点を突き、真面目に走った選手が負けたといえる今回の裁定が二度と起こらないよう、ルールの改定を望むところです。

決勝戦である植尾選手と末永選手の1本目

 決勝は末永選手と植尾選手の対戦。植尾選手先行の1本目、川畑選手対末永選手のラインを見ていたためか、ゾーン3を走行せずイン寄りのラインを走行。末永選手は比較的近いドリフトを見せて3ポイントリード。そして末永選手先行の2本目。再び同じラインを通るものの、植尾選手は終始近接し11点という近接ポイントを獲得。これにより2005年以来15年ぶりの優勝を、地元で決めました。

勝ち名乗りを受け、泣き崩れる植尾選手と、肩を叩いて祝福する末永直人選手

表彰式の様子。左から準優勝の末永選手、中央に優勝した植尾選手。右に3位川畑選手

 植尾選手は「若い人たちが『昔86を観ていました』と言われるのが、うれしい反面すごく屈辱で。まだまだ俺もいけるぞと思いながら、優勝するまでは絶対に頑張ろうと思って。辞めはしないけれど、50歳手前になって、勝つ大変さを凄く身に沁みました。自分の頑張り見た人が信じてくれて、そして皆さんが凄く努力してくれて、ただ感謝しかないですね。自分の努力ではなく皆さんの力で勝てたと思います」と喜びと感謝を伝えました。

 シリーズランキングは小橋選手がトップの96ポイント。2位は川畑選手、藤野選手で85ポイント、3位に昨年のチャンピオンである横井選手68ポイントと続きます。上位はまだ大きく開いておらず混戦といった様相。

今大会終了時点で2位までシリーズランキングを上げた川畑選手

 D1グランプリシリーズの次戦は初開催となるエビスサーキット 西コースで、11月14~15日の2日間行われます(14日は練習走行&D1ライツ戦)。川畑選手は「シーズンを諦めたわけではない。ただ勝つだけです」と雪辱を誓い、藤野選手も「初めてのコースだけれど、今回の流れが続くようにしたい」とのこと。シーズンも後半戦に入り、チャンピオン争いが見える次戦、お見逃しなく!

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事