フジヤエービック主催で、毎年恒例の“ヘッドフォン祭”は、いままで地震や台風など幾多の苦難を退けてきた。しかし、さすがに今年のコロナ禍には勝てず、春のヘッドフォン祭はオンライン開催となった。秋のヘッドフォン祭もそれに習った形で再びオンラインで開催。11月7日の正午頃からフジヤエービックのYouTubeチャンネルで配信された。
フジヤエービックの根本氏とAVライターの野村ケンジ氏が進行を務めた。また、スペシャルMCとして声優の小岩井ことりさんが春に続いて登場。イベントも、小岩井さん自身が開発に携わった、有線/無線両用イヤホン、オウルテック「KPro01」の話題から始まった。イヤモニ風の外観を持つ完全ワイヤレス機だが、ゲームなどレイテンシーが問題になるときは、有線でも使用できる。クラウドファンディングでは、1億6千万円も集めたという。
各社の発表内容を、スケジュールに沿って紹介していこう。
1 オーディオテクニカ
まずは国産ヘッドホンオーディオの雄であるオーディオテクニカが登場した。
初めに、完全ワイヤレスイヤホンの新しい3製品について解説。それぞれ毛色の違う3モデルで、「ATH-CKR70TW」は音質と通話性能にこだわったモデルだという。高域特性に優れるDLCコーティングを採用した5.8mmのドライバーを搭載、左右音量バランスやプリセットも含んで細かに調節ができるイコライザーが使用可能だ。また、電源回路周辺に高級コンデンサーを搭載するなど、回路にこだわったところも注目ポイントだと思う。
マイク性能にこだわった点もポイントで、ふたつの無指向性マイクを使うことにより、その時間差を利用して話者の口先から出る声だけを強調できる仕組みだという。フジヤエービックの根本氏によると、「テレワークやオンライン授業の需要増で最近はマイク性能の高いイヤホンの問い合わせが多い」という。
「ATH-SPORTS5TW」はスポーツ向けで、外れにくいフィット感にこだわったり、階段状のデザインで手袋を使っても触覚で操作がわかりやすくするといった特徴がある。また再生時間が長く、単体で36時間も使える。防水防塵対策も高く、水だけではなく塵に対応しているのがポイントだ。
「ATH-SQ1TW」はシンプルなモデルで、スクエアのユニークなデザインやカラバリの多さが特徴。コンパクトかつ軽量で女性にも好適。またL/Rマークが光るので、夜でも左右がわかりやすいので初心者にも優しい。小岩井さんは初めての完全ワイヤレスにぴったりと解説した。
完全ワイヤレスの次は、本格的な単体DACとヘッドホンアンプの新製品紹介が続いた。
「AT-DAC100」は単体DAC。DACは頻繁に世代交代が進むので、アンプと分離したという。DAC ICには「AK4452VN」を採用。電源にこだわり、真空管アンプに合わせたチューニングをしたという。
「AT-BHA100」は「ヘッドホンアンプで、Hi-Fiの真髄を心ゆくまで」をコンセプトとする。
真空管を採用しているところがポイントで、真空管とパワートランジスターのハイブリッド構成を採用した。真空管は前段に使っていて、スリットからその姿が見えるのもポイント。4.4mmとXLR(4ピン)のバランス駆動に対応して、6.3mmの標準プラグも差せる。放熱と省スペース化のために、縦置きできる点もポイントだ。小岩井さんは「柔らかくて、暖かくて、命が吹き込まれるような音」とコメント。
なお、コーナーとコーナーの間は、10分ほどの休憩を挟んで次のプログラムに移る。間には各メーカーからのCFなどがが挿入されていた。
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