iPhoneでHDR動画を撮る・観る・作れる喜び
映像により表現できる輝度の幅を拡げて明暗の再現力を高める高画質化技術「HDR(High Dynamic Range)」について、ディスプレイで「観る」方はiPhone 11シリーズも対応していました。iPhone 12シリーズからはHDRビデオをカメラで「撮る」こともできるようになります。しかもメイン側とフロントのTrueDepthカメラの両方で。
HDR高画質化技術は現在多くのテレビやPC用モニターが対応していますが、その効果がどのようなものかはよくわからないという方も多いと思います。iPhoneでHDRビデオが撮れるようになると「自分の目で見たとおりの景色や友だちの顔がiPhoneで観られる」ことに気が付き、「HDRってスゴいね!」という認知が今よりもさらに広がりそうです。
スマホのHDR動画撮影対応はソニーモバイルのXperiaシリーズが先鞭を付けたもので、現在発売中のXperia 1 IIは撮影したHDR動画を民生用のテレビで手軽に観られるように、互換性を重視してHLG(Hybrid Log Gamma)方式で記録します。iPhoneの場合はHDRビデオをDolby Vision方式で撮影中にグレーディングするそうです。iPhone 12シリーズのディスプレイがDolby VisionのHDRコンテンツの表示に対応しているうえ、HDR動画素材の編集も「写真」アプリ上で簡単にできてしまいます。広くHDR動画の魅力がとても身近に感じられそうですね。
テレビの大画面で再生したい時には、AirPlayを使ってiPhoneからキャストする方法が一番スムーズにできそうです。2019年以降に発売されたAirPlay 2とDolby Visionの両方をサポートするソニーBRAVIAシリーズの一部機種、およびLGエレクトロニクスのスマートテレビの一部機種との相性が良いと思います。
メインカメラによるHDR動画撮影はiPhone 12 Proシリーズが最大60fps、iPhone 12シリーズが最大30fpsまで対応します。HDR動画は解像度を高く設定するほどファイルサイズは大きくなると思いますので、HDR動画をバンバン撮ってみたい方はストレージの容量はなるべく大きなiPhoneを選ぶべきです。
そしてiPhone 12 Pro Maxだけに、内部のセンサーブロックをシフトさせて動画撮影時の手ブレを防ぐ新しい光学式手ぶれ補正技術が搭載されています。カジュアルな動画撮影ならジンバルやスタビライザー系のアクセサリーが要らなくなるのでしょうか。大変興味深いです。筆者は手が小さいので、画面が小さめなiPhone 12 Proを買うつもりでしたが、いま迷いに迷っています。
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