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グーグル新製品発表から見える「5Gミドルクラス・シフト」と「コンテンツ・サービス一体化」戦略

2020年10月02日 09時00分更新

アメリカ市場を見据え、コンテンツサービスとハードの連携を軸に

 実際のところ、冒頭で述べたように、グーグルにとってPixelは数ある商品の一つでしかない。特に今年はかなり「手堅い」やり方の製品になったので、相対的に他の製品が目立つ。

 もっとも大きなトピックは、Chromecastを刷新し、新UI「Google TV」を搭載したことだ。これは日本でも提供の予定がある。

 TV向けのAndroidである「Android TV」もやっており、グーグルのテレビへの取り組みは長期にわたる。日本から見るとYouTubeなどが軸に思えるが、アメリカの場合、ケーブルTVの仕組みをインターネット上で提供、オンデマンド配信・リニア配信の両方で番組を見れる「YouTube TV」を展開していることから、まさに「あらゆる映像関連コンテンツをカバーする」ことが可能になっている。その中でコンテンツを横断検索することは以前からおこなわれていたが、今回UIの刷新によってよりやりやすくなり、注目を集めることになった。ハードウエアもコンパクトでリモコンも使いやすそうに見えるので、ある意味今回1番の「買い」かもしれない。

 音楽も似たようなところがある。新スマートスピーカーの「Nest Audio」は、YouTube Musicを軸とした「音楽サービス」拡販、という意味合いが強い。複数の部屋で連携して楽しむマルチルーム機能を推したりと、かなりアメリカ市場を意識した部分が強い。

 そして、ストリーミングゲームの「Stadia」も一つの軸。Pixelまで含めて、グーグルのハードウエアをアピールするための存在として使っている。

 そういう意味でいえば、全体的に「アメリカでのサービスのあり方」を前提とした部分があり、日本から見ると遠く思えたのも事実ではある。

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