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SUSEの固定化したイメージを最新アップデートしたい──関原新社長

2020年09月24日 15時00分更新

まだレッドハットとは競合と言える立場ではない

 だが、日本においては、マーケットへの訴求ができていないことが大きな課題だと自ら指摘する。

 「SUSEに対するイメージは大きく3つにわかれる。Linuxの商用ディストリビュータであるという25年前のイメージ。次に、大学時代にopenSUSEを使っていたことがあり、とても懐かしいという反応。そして、最近ということであれば、SAP HANAで使用されているOSということである。まったく知らないと言われるよりはいいが、SUSEの最新の状況をきちっと伝える必要がある」とする。

 「日本の顧客にオーブソースプロジェクトへの参加を要請したところ、驚くほど多く人に興味を持ってもらっている。だが、どのオープンソースプロダクトを、どのように使えばいいかがわからないという声も多い。SUSEでは、自社製品と、サポートしているオープンソースプロジェクトの製品を組み合わせて、顧客の課題を解決するフレームワークを提供していく」と述べた。

 SUSEソフトウエアソリューションズジャパンでは、顧客の課題を9つに分類した「ソリューションバリューフレームワーク」を提示。「インフラ管理をシンプルにし、様々な環境において、ITを中断なく実行するにはどうすればよいか」、「クラウドとオンプレミス、ベアメタル、仮想化インフラ間でワークロードとアプリケーションを移動するにはどうすればよいか」、「セキュリティを失うことなく、接続されたエッジデバイスの高度に分散されたネットワークをどのように活用できるか」といった具体的な課題を示しながら、それらを解決するためのソリューションや、同社のコーポレートビジョンに照らし合わせた取り組みを提案。「これらのフレームワークを通じて、ベンダーロックインがない、真のオープンソースの柔軟なテクノロジーを提供する。これを活用することが、企業が、ビジネスの変化に追従するための方策になる。新たなビジネスも、スモールスタートで開発がすぐに始められ、費用を抑えられ始められ、イノベーションにつなげられやすい」などと、その特徴を強調する。

 だが、その一方で、「いまは、レッドハットと競合と呼べる立場にはない」とも語る。

 日本における体制面での差はまだまだ大きい。

 「だが、同じ土俵で戦うことは考えていない」とし、「たとえば、ハイパフォーマンスコンピューティングでは、armを視野に入れた提案を行っていく。レッドハットとは異なる提案をしていく」などとした。

 体制を刷新して、日本での再スタートを切ったSUSE。まずは、日本において、SUSEが持つ特徴を、いかに打ち出すことができるかが鍵になる。

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