レキピオは9月16日、デジタルコンビニサービス「QuickGet」を正式リリースすると発表した。
食料品や酒類、日用品を注文から30分以内になんでも宅配するサービス。六本木に自社倉庫を構え、商品在庫を抱えることで実店舗をもつ小売店と同等価格での販売を実現している。
2019年11⽉にベータ版を開始。東京都港区六本木を中心に、渋谷区、目黒区、千代田区の一部地域で展開していたが、今回の正式リリースにともないサービス提供エリアを⼀部拡大。恵比寿、神宮前、代官山、白金エリアでも利用できるようになった。今後も段階的にエリアを拡大していき、9月末までには新宿区・品川区の一部エリアでも利用可能になるという。
対応OSはiOS。またAndroid利用者向けにウェブ版も提供している。
また同社は、UB Ventures、マネックスベンチャーズ、サイバーエージェント・キャピタル、FGN ABBALab、F Ventures LLP、個⼈投資家の⾚坂 優⽒、中川 綾太郎氏、吉⽥浩⼀郎氏を引受先とする第三者割当増資、ならびに日本政策金融公庫より総額1.7億円の資⾦調達を実施した。
「Amazonじゃ遅すぎる」
利用者急増中のスマホの中のコンビニ
レキピオ 代表取締役 平塚 登馬氏は、QuickGetのコンセプトは“スマホの中のコンビニ”だと語る。「現在のところ、自社倉庫から最短5分、30分以内でのお届けを実現しています。また、デジタルコンビニと称していますが、成城石井などの高級スーパーで売られているような商品や、ドンキホーテで売られているような商品、ワインショップでしか手に入らないワインなど、常時1000点以上をラインアップし幅広く取り扱っています」
また同サービスの強みについて以下のように語ってくれた。「データに基づいたリーンな仕入れが可能です。リアルなコンビニですと、“いつ”“何が”“何個”売れたのかという購入データと店員の主観的判断による性別・年代などの属性データしか取れませんが、QuickGetではユーザー情報と購入データがすべてひもづいています。たとえば、ユーザーさんがおにぎりをどういう頻度で購入していて、何時に買うのかなど、より詳細なデータに基づいた最適なマーチャンダイジングを実現しています」
投資家などからは当初、「どこにでもコンビニはあるから利用されない」とのダメだしを多く受けたという。しかし平塚氏は、絶対に需要はあると強く確信している。「このサービスを走らせるきっかけのひとつに、『今すぐにほしい、Amazonじゃ遅すぎる』という自分自身のニーズがあったからです。さまざまなデリバリーサービスが世の中に浸透し、自分も利用していくなかで、あらためて小売店のデリバリー版の可能性を感じました。ベータ版リリースから最初の2、3ヵ月はまったく注文がなかったのですが、徐々に伸びてきまして月次で6倍成長しています」
ちなみに、売り上げが伸び始めたのはコロナが来る前からだという。このことからも、日用品のデリバリーサービスに高い需要があることがうかがえる。ユーザーからも、「コンビニに行かなくなった」「2Lペットボトルなど重い物を運ばなくて済む」「安くて品数も多いのでUber Eatsより便利」といった声が上がっているとのこと。
「似たような配送限定の小売サービスでいいいますと海外に1、2社ある程度で、国内にはまだない状況です。海外ではオンデマンドで何でも届く世界が実現しており、日本にも確実に来ると考えています」(平塚氏)
今後もサービス提供エリアを拡大していく予定だが、デジタルコンビニの提供だけでとどまる気はないという。「たとえばフードデリバリーやバイク便など、オンデマンドデリバリー周辺のさまざまな領域に進出して、QuickGetで得た価値を組み合わせることで、弊社にしかできないことを提供していきたいと思っています。デリバリー市場で一番になるのが目標です」と語ってくれた。
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