第12回
超高難度はダテじゃない! 1時間で10回は死んだダークアクションRPG『Mortal Shell』のプレイレビュー
2020年8月18日、DMM GAMESよりPlayStation 4ソフト『Mortal Shell』(モータルシェル)が発売された。本作は「妥協なき正真正銘のソウルライクゲーム」を目指して開発されたダークアクションRPGで、いわば『DARK SOULS』などに代表される「よく死ぬゲーム」である。
ソウルライクゲームにはレベルという概念はなく、ただひたすらプレイヤースキルを磨くことでのみ、道が開かれる。そのため、死ぬたびに「次はこうしよう」というアイディアを思いつき、試行錯誤しながら「壁」を乗り越えようとしていく。そして心を折られそうなプレッシャーに耐えて耐えて耐え抜いて、ようやくクリアしたときに大きな「達成感」を得られるのが最大の魅力だ。
今回はそんなジャンルのなかでも「超高難度」と謳われている『Mortal Shell』に対し、ソウルライクゲーム「初挑戦」の視点からプレイレビューをお届けする。
複数の遺骸と4つの武器により異なる戦闘スタイルが楽しめる
主人公は骨格の浮き出た異次元の生物で、戦士の遺骸(Mortal)を殻(Shell)のようにまとって行動するのが特徴。プレイを進めると新たな遺骸を見つけ、乗り換えることが可能となる。それぞれ異なる能力を習得できるため、目的に応じて使い分けるといいだろう。
武器は初期の「聖なる剣」のほか、「殉教者の剣」「くすぶる鎚矛」「ハンマーとノミ」という4種類の武器が用意されており、それぞれ戦闘スタイルが異なる。守護者を倒すことで新たな武器が手に入るという。
ストーリーの最初の目的はとある遺跡へ向かって「腺」なるものを取って来ること。だがプレイヤーの目標としては、まず新たな「遺骸」と「武器」を見つけることを目指すべきだろう。
アクションと専門用語の意味を知れば百戦危うからず
・R1ボタン:弱攻撃。スキは小さいが威力も低い。
・R2ボタン:強攻撃。威力は高いがスキも大きい。
・R3ボタン(右スティック押し込み):ロックオン。攻撃の命中率が段違いに上がるため活用を推奨。
・〇ボタン:ステップ回避。長押しでスタミナを消費しながらダッシュ(ダッシュは左スティック押し込みでも可)。
・L1ボタン:パリィ。敵の攻撃を弾くことができる防御系アクション。
・L2ボタン:硬化。本作の特殊システムで、あらゆる攻撃を防ぐ防御系アクション。
・ター:経験値、あるいは通貨のようなもの。敵を倒すと手に入る。
・一瞥:レアな経験値、あるいはレアな通貨のようなもの。敵を倒したり、特定のアイテムを使うと手に入る。
・決意:さまざまな特殊アクションで消費する黄色のバー。攻撃を当てるとたまっていく。
・アビリティ:遺骸ごとに異なる能力。シスターに「ター」と「一瞥」を捧げることで習得できる。
「硬化」や「強化反撃」を使いこなそう
本作の戦闘で最も特徴的なのが「硬化」アクションだ。L2ボタンを長押しすることで、自分の体を石のように硬化させ、どんな攻撃でも弾けるようになる。さらに、任意のタイミングで「硬化」できるため、武器を振り回している最中でも瞬時に防御態勢に移行可能。パリィのタイミングが早すぎたり、回避が間に合わないというときなど、いざというときの防御手段として非常に有効だ。
また、L1でパリィを成功させた場合、カウンターで「強化反撃」を行なえる。それを決めると体力を回復できるため、回復手段の少ない本作では非常に重要なアクションと言えるだろう。なお、強化反撃の使用には「決意」バーを消費するため、常にバーの残りは意識しておきたい。
HPがゼロになった場合、遺骸から主人公の魂が弾き出されてしまう。その場に残った遺骸に憑依できればHPを完全回復できるが、そのリトライシステムは1回限定。もう一度HPがゼロになるとゲームオーバーでチェックポイントに戻されてしまうので注意が必要だ。リトライ回数は拠点にいる「シスター・ジェネーシャ」と話すことで回復可能。
「壁」を乗り越える楽しさは折り紙つき!
事前情報の時点で「高難度」を謳っていただけあり、ゲームの難易度としてはそうとうに難しい。筆者は開始1時間の間に10回は死んだ。もちろん自身の未熟さを痛感するとともに心が折れそうになったこともあるが、試行錯誤を繰り返してうまくいったときの達成感と、「こうすればいい」というノウハウの積み重ねで自分自身が成長していく喜びは、筆舌に尽くしがたいほど強く感じることができる。
システム的にはやはり「硬化」がおもしろいと感じた。一度しか防げずインターバルが必要という制限はあるものの、いつでも任意のタイミングで発動できるというのはかなり強力。筆者は基本はステップ回避で立ち回り、いざというときに硬化でガードを固めるという使い方をしている。
惜しい点を挙げるとすれば、似たような景色で道がわかりにくいということ。自由に進めるフリーな設計なのもあり、どの方向へ向かえばいいのかの指標が乏しいと感じた。マップが欲しい(切実)。
それでも非常にやり応えがあり、「硬化」や複数の遺骸への「憑依」など独自のシステムが用意されている本作。次々と提示される「壁」を乗り越える楽しさを味わいたい人や、ソウルライクなゲームが好きな人なら、決して損はしないタイトルだと言えるので、ぜひプレイしてみてほしい。
おまけのワンポイント攻略
・ウェルトキャップ(回復キノコ)は5分間で再採集が可能
・シスターと話すことで、HPとリトライ回数が全回復する(敵も再ポップする)
・遺骸の「思い出の品」はどこかに落ちているのではなく、シスターに話しかけて一定数の「ター」を消費すれば名前が判明する
Published by EXNOA LLC. © 2020, Playstack and Cold Symmetry, all rights reserved.
(提供:DMM GAMES)
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