週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

Renoirのデスクトップ版「Ryzen PRO 4000Gシリーズ」3モデルの性能を検証

2020年07月30日 11時00分更新

●内蔵GPUは前世代よりも改善されたが規模縮小

 Ryzen PRO 4000Gシリーズに統合されたGPUは「Radeon Graphics」とボカされた名称になっているが、中身は前世代と同じVega(GCN)ベースのものだ。前世代よりも細かな改善が入っているGPUだが、CU数だけを見るとむしろ少なくなっている。CU数(1CU=64SP)の減少で描画性能は下がってしまうが、その分メモリークロックをDDR-2933から3200へ引き上げることでバランスをとっている。

 ユーザー的には現行のNaviを使って欲しかったところだが、まだ色々と乗り越えるハードルがあるのだろう。この当たりに対する考察は、大原氏の鋭い視点をご一読いただきたい。

「GPU-Z」でRyzen 3 PRO 4350Gの情報を拾ってみた。Radeon Graphics 6なのでSP数は384基(64×6=384)、内部的にPCI Express Gen3のx16で接続されていることが示されている

同じくRyzen 5 PRO 4650Gの情報。なぜか接続がPCI Express Gen4 x16になっているが、何かの不具合だと思われる

SP数512基のRyzen 7 PRO 4750Gの情報。SP数512基といえばRyzen 3 3200GとSP数は同じだが、どの程度のパフォーマンスアップが期待できるのだろうか?

GPUドライバーはディスクリートのRadeonと同じ「Radeon Software Adrenalin 2020 Edition」を使う

GPUの使用率や温度をモニタリングする機能もそのまま

VegaだからFruid Motion Video(FMD)が使えるのでは……? と期待していた諸兄には残念だが、「ビデオ」タブ内にFMDに関係する設定項目はない

最新のAdrenalin EditonだからFMDが使えないのでは? と思いPolaris世代のRadeon RX 560環境に最新ドライバーを入れてチェックすると、FMDの項目が出現。少なくともデフォルト状態ではドライバーのせいではなくGPUを見てFMDの設定を出すかどうか決めているようだ

●CPUの倍率変更はできない

 Ryzen PRO 4000GシリーズはCPUの倍率にロックがかけられている。つまり倍率を換えてOCすることはできないのだ。本来ビジネス市場向けのCPUである以上当然だ。どうしてもオーバークロックがしたければ、現状ではRyzen PRO 4000Gシリーズが組み込まれたPCを買ってきて、そこからAPUだけを取り出して遊ぶしかない。

AMDのサイトに上がっているRyzen 5 PRO 4650Gのスペックを見ると「アンロック」の欄が「いいえ」、つまり倍率がロックされ固定であることが示されている

Ryzen 5 4600Gの場合は「アンロック」が「はい」なのでOCも可能なのだが、ただの4600Gは「OEM Only」。(今のところは)パーツ単品売りされる予定は皆無なのだ

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事