ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が販売、Sucker Punch Productionsが開発したPlayStation 4用ソフト「Ghost of Tsushima(ゴースト・オブ・ツシマ)」は、「元寇(蒙古襲来)」を題材にしたオープンワールドアクションゲーム。蒙古軍の侵攻を受けた「対馬」を舞台に、島民と故郷を守るべく「冥人(くろうど)」に変貌する侍・境井 仁の孤軍奮闘が描かれる。7月17日に発売予定で、CEROレーティングはZ指定(18歳以上のみ対象)となっている。
探索し甲斐のある対馬というフィールド、美しき日本の風景を色鮮やかに描いたグラフィック、時代劇さながらの手に汗握る剣劇アクション、そして境井 仁という侍の生き様を描いたストーリーが主な特長だ。
7月17日の発売に先駆けて、私はGhost of Tsushima(PlayStation 4で試遊)を先行体験する機会を得た。全世界で注目されている本作の魅力とはいったい何なのか。本記事では、Ghost of Tsushimaのレビューを紹介する。
予想をはるかに超えた時代劇アクションゲームの究極形
SIEワールドワイド・スタジオの1つであるSucker Punch Productionsは、アメリカに拠点を置くゲーム開発会社。「怪盗スライ・クーパー」や「インファマス」シリーズなど、やり応え抜群のアクションゲームおよびオープンワールドゲームを手がけている。多彩な遊びをこれでもかと凝縮したゲームを輩出する、優れたスタジオといった印象だ。
Sucker Punch Productionsの最新作となるGhost of Tsushimaは、インファマスシリーズのようなオープンワールドを採用したアクションゲームだが、従来作との決定的な違いは、なんといっても舞台である。本作の舞台は蒙古軍に侵攻され、壊滅状態に陥った1274年の対馬(文永の役)。日本史の授業で習ったあの元寇、もとい鎌倉時代の日本を題材にしている点が、ゲームファンの気になるポイントだろう。
Sucker Punch Productionsが生み出した時代劇アクションゲームとはいったい何なのか。Ghost of Tsushimaが発表されてから試遊するまでの間、私は「逆輸入ゲーム」というべき本作に興味津々だった。おそらく、私を含む多くの日本ユーザーも同じなのではないだろうか。
だが、アメリカの開発スタジオが描く時代劇に対して一抹の不安もあった。アメリカ映画でよく見かける変な日本の描写が本作にも反映されているのではないか。そういった期待と不安が入り混じる感情を抱きながら、私は本作を試遊してみた。
数時間試遊した結果、Ghost of Tsushimaは長いこと待っていた分の期待を大きく上回る出来だった。アクションゲームという形で時代劇の醍醐味をうまく表現できているうえに、ゲーム全体のクオリティーも驚くほどに高い。
また、徹底的なリサーチによって生み出された本作を通して、元寇の歴史を学ぶ機会も与えてくれる。現に、本作がきっかけで、元寇を題材にした漫画「アンゴルモア 元寇合戦記」(作・たかぎ七彦先生)にハマるほどだ。時代劇をプレイするだけでなく、歴史に対する興味関心を引き立ててくれる作りも本作の利点である。
次項では、Ghost of Tsushimaの魅力を紹介していく。主にゲームプレイを取り上げるが、ストーリーについては本作を楽しみにするゲームファンを考慮し、極力触れないでおく。本編を購入後にその目で確かめてもらいたい。
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