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2.5インチSSD「860 QVO」の正統後継シリーズ

8TBで10万円切りもあり得る!?最新SATA接続SSD「870 QVO」をレビュー

2020年07月09日 17時00分更新

 2020年6月30日、Samsung Electronicsは2.5インチのSATA接続SSD「860 QVO」の後継シリーズにあたる、「870 QVO」を発表した。Samsung 4bit MLC V-NAND(QLC NAND)を搭載するQVOシリーズにおいて、初めて8TBモデルをラインアップするのが最大の特長だ。国内市場での発売時期は未定だが、本稿ではそのサンプルが手に入ったのでレビューしてみたいと思う。

Samsung Electronicsの2.5インチSATA接続SSD「870 QVO」

 870 QVOは実質860 QVOのスペックが若干変わったブラッシュアップ版となる。そのためか、外観は製品の貼られているシール以外はまったく同じデザインを踏襲している。

860 QVO(上)と870 QVO(下)を並べてみても表面ではまったく見分けがつかない

裏面にはシールが貼られているので見分けがつく

初投入となる8TBモデル。デザインが同じとは言え、「8TB」の文字は胸躍るものがある

860 QVOからシーケンシャル速度がややアップ

 では、ラインアップと主だったスペックをチェックしていこう。

870 QVOのラインアップと主要スペック
型番 MZ-77Q1T0B MZ-77Q2T0B MZ-77Q4T0B MZ-77Q8T0B
容量 1TB 2TB 4TB 8TB
フォームファクター 2.5インチ
インターフェース SATA 3.0(6Gbps)
コントローラー Samsung MKX Controller
NANDフラッシュメモリー Samsung 4bit MLC V-NAND(QLC)
DRAMキャッシュメモリー 1GB LPDDR4 2GB LPDDR4 4GB LPDDR4 8GB LPDDR4
シーケンシャルリード 560MB/s
シーケンシャルライト 530MB/s
4KBランダムリード(QD1) 11000IOPS
4KBランダムライト(QD1) 35000IOPS
4KBランダムリード(QD32) 98000IOPS
4KBランダムライト(QD32) 88000IOPS
MTBF 150万時間
総書き込み容量 360TB 720TB 1440TB 2880TB
サイズ 100(W)×69.85(H)×6.8(D)mm
重量 最大46g 最大46g 最大54g 最大57g
保証期間 3年間
メーカー希望小売価格 129.99ドル 249.99ドル 499.99ドル 899.99ドル

 860 QVOとの速度差はわずかだが、シーケンシャルアクセスではリードもライトも10MB/s高速になっている。4KBのランダムアクセスにおいては、QD1のリード時で3500IOPS速くなっている一方で、ライト時は7000IOPS遅くなっている。QD32も傾向が似ており、リード時は1TBモデルでは2000IOPS、2TBと4TBモデルでは1000IOPS高速化しているが、ライト時は1000IOPS遅くなっている。

 同社によれば、これは860 QVOの評価検証はWindows 7で行ない、870 QVOはWindows 10で行なったためだという。Windows 10ではWindows 7と比べてシステム側のレイテンシーが長くなってしまうとのことで、860 QVOでもWindows 10で評価検証を行なえば、4KBランダムライトはQD1時で35000IOPS、QD32時で87000IOPSと、870 QVO以下になるとのこと。とは言え、理論値で最大6GbpsのSATA接続SSDは現行PC環境において、数年前からその速度は頭打ちになっているので、実際使っていて体感するのは難しい差だろう。

870 QVOのレビュアーズガイドより抜粋。860 QVOでもシステムレイテンシーの長いWindows 10で検証すると、4KBランダムライトは870 QVO以下の性能になるとのこと

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