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日本気象協会、AIを用いた「ダムの事前放流判断支援サービス」を運用開始

2020年07月06日 15時30分更新

令和元年東日本台風(台風第19号)が上陸するおよそ4日前(10月8日9時初期値)予測について、深層学習時空間ダウンスケーリング手法を適用したもの

 一般財団法人 日本気象協会は7月3日、AIを用いた「ダムの事前放流判断支援サービス」の運用を発表した。6月1日から運用を開始している。

 日本気象協会が独自に開発した「JWAアンサンブル予測」を利用したサービス。アンサンブル予測とは、予測に伴う不確定さを考慮することで将来の予測を可能にする手法で、日本気象協会では世界各国の気象機関が出す数値予測をもとに、独自の補正処理やAI技術(深層学習など)を利用した時空間ダウンスケーリング。最大15日先までの1時間雨量・5kmメッシュに高精度化した降雨予測データを提供している。

 最大15日先までの予測情報であることから雨が降り始めるまで十分な準備期間を確保、余裕を持って事前放流の計画を立てることが可能となる。同サービスは、現在までに千葉県の亀山・片倉ダム管理事務所と高滝ダム管理事務所にて導入、事前放流の実施判断支援情報をウェブサイトとメール通知で提供している。

台風が上陸するおよそ4日前における51通りの予測シナリオを示したもの。多くの予測シナリオで、関東付近に台風が上陸することを示唆している

 日本気象協会では、「AIを用いたアンサンブル降雨予測の“深層学習時空間ダウンスケーリング”手法」を6月4日に特許出願。今後も企業活動や研究活動を通じて得た成果を社会課題の解決に役立てるとしている。

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