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リモートワークとも相性がよく、SNSなどでも話題

クラウド会計のfreeeがフロントオフィスの管理ツールに乗り出したワケ

2020年07月01日 08時00分更新

プロジェクト管理freee

プロジェクト管理freeeとは

 freeeでは、4月よりプロジェクト型ビジネス向けの収支管理サービス「プロジェクト管理freee」を提供している。

 プロジェクト型ビジネスの定義として、同社では「顧客から特定の案件などを請け負い、社内やパートナー企業の人材を割り当て、受注した案件を遂行するビジネス」と説明。主にシステム受託開発や、コンサルティング業などが当てはまるとしている。

開発に至った経緯は

 同社では、開発に至った経緯について、下記のように説明する。

 「プロジェクト型ビジネスは、案件毎に予算の策定を行い、社内の工数や案件にかかる経費の予算と実績の差異をタイムリーに確認しながら、必要に応じて経営者やプロジェクト管理者が意思決定を行い収益性を確保することが重要。

 しかし、日々の工数(実績作業時間)入力が手作業であったり、更にその入力したデータ集計が煩雑な管理業務になっていたり、あるいは案件ごとの経費をリアルタイムに補足することは難しくタイムリーに予実管理ができない課題があった」

 これらの課題を解消するために開発されたプロジェクト管理freeeは、大きく3つの特徴を持つ。「プロジェクトごとの予算・実績がひと目でわかるUI」「他ツールとの連携」「アラート機能付きの収支管理レポート」だ。

予算やメンバーの工数、予算消化状況などをグラフ状に視覚化でき、カレンダーツールと連携することで、日時と作業内容の入力を簡易化できる

 プロジェクト毎の予算やメンバーの工数、予算消化状況などをグラフ状に視覚化でき、カレンダーツールと連携することで、日時と作業内容の入力が簡易化する。また、メンバーごとの予定確認も可能で、予算超過時にはアラートを鳴らす機能を備える。これによって、作業全体の予算管理をマネージメントしやすくなり、予定通りに進んでいない場合は、計画の見直しもしやすくなる。

使用イメージ

 カレンダーツールについては、現時点で人事労務freee、Googleカレンダー、Microsoft Office 365 Outlookに対応。今後も連携出来るツールは増やしていきたいとする。

フロントオフィス業務の管理にも進出 freeeの戦略とは

 同社が、プロジェクト管理freeeのサービス提供に乗り出したのには、とある狙いがある。同社がこれまで提供してきたのは、クラウド会計ツールであり、主に請求書、債権債務管理、勤怠管理といった、資金の受け渡しや計算に関する業務の効率化の分野だ。これらは言い換えればバックオフィス業務の改善に関するツールである。

クラウド会計の分野で人気と話題を集めてきた同社は、フロントオフィス業務の管理ツールにも進出

 一方、プロジェクト管理freeeは、フロントオフィス業務の管理ツールにあたる存在。バックオフィスだけでなく、フロントオフィスの支援もサービスとして提供することで、さらなる効率化の支援を担うとともに、業務全体を裏と表から管理しやすくしたいとの考えだ。

 プロジェクト管理freeeは、リリース後、SNSなどでも話題にするアカウントが多数散見されている。クラウド会計の分野ではかなりの人気を誇る同社が、フロントオフィス分野の管理ツールをリリースしたこと自体にもニュース性があるのだが、やはり影響として大きいのはコロナ禍によるリモートワークの推進である。

 プロジェクト管理freeeの利用料は、年間契約をした上で、1アカウントあたり月額1500円。リモートワークの問題点として取り上げられるのが、業務の進捗が見えにくくなったり、これまではオフィスで対面でできていた確認作業がスムースにいかなくなるということだが、小規模な事業者でも使いやすい、比較的リーズナブルな価格と、遠隔で、プロジェクトに関係するメンバーの工数や収支がひと目で確認できるという点で、気になっている人も多いようだ。

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