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オーディオテクニカ初のNC対応完全ワイヤレス

「高音質」と細部まで配慮した「できの良さ」~ATH-ANC300TWレビュー

2020年06月08日 13時00分更新

左右独立伝送の「TWS+」やaptX対応で、約4.5時間の再生

 接続性の面では、クアルコムの「TrueWireless Stereo Plus」(TWS+)に対応している。一般的な完全ワイヤレスイヤホンは、左右いずれかがまず通信を受け取り、それを反対側に転送してステレオ再生を実現している(リレー方式)。しかし、TWS+では、対応している機種のみとなるが、左右のイヤホンが個別にプレーヤーと接続し、安定した通信を確立することができる(左右独立伝送方式)。

 Bluetoothのコーデックとしては、標準的なSBCのほかに、AACやaptXにも対応している。aptX対応のAndroidスマホやデジタルオーディオプレーヤーを使用することで、より高音質な伝送が可能だ。

A-T Connectの画面。中央のアイコンを押すことでコーデックの選択や動作モード(ノイズキャンセルやヒアスルーの切り替え)が可能だ。

クイックヒアスルーはボタンを押すだけで、簡単に周囲の音を聞ける機能。このモードに入るとアプリ側でヒアスルーやノイズキャンセリングの操作はできなくなる。

 独自アプリのA-T Connectを使えば、スマートフォンからノイズキャンセリング機能のオン/オフ、ヒアスルー機能への切り替え、目的に応じたヒアスルーレベルの調整などができる。面白いことに使用しているコーデックの確認や切り替えまでできる。

 本体は1回のフル充電で約4.5時間の連続再生が可能で、充電ケースを併用すれば最大約18時間の再生ができるという。使用状況によっても異なるが、ノイズキャンセリング搭載機種としては標準的で通勤通学では問題になることはないだろう。

縦置きのケースは使い勝手がいい

 パッケージはシンプルで、本体と充電ケース、USBケーブルのほか、イヤピースが2種類同梱されている。

 イヤピースは4つのサイズのシリコンタイプ(XS/S/M/L)と、COMPLYのフォームタイプ(M)が付属している。両方とも完全ワイヤレス対応で、傘の短いものが入っている。A-T connectアプリと組み合わせることで、スマホのGPSを用いてイヤホンの紛失地点を記憶する機能もある。落下を心配する人は設定しておくといいだろう。

A-T Connectは、スマホ側のGPSと連動して、紛失時に探しやすくする機能を持っている。

バッテリー消費は増すが、「常に」に設定したほうがなくした場合は見つけやすいだろう。

USBケーブルにはブランドロゴ入り。細部への配慮がここにも感じられる。

 イヤホン本体は、手に取ってみると大きさも程よく長時間装着していても違和感は少ない。装着感はとてもいいと感じた。デザインも品が良くシックな感じだと思う。イヤホン本体はケースから出すと、自動で電源オンになる。ふたたびケースに格納すると電源オフとなり、充電が始まる。ケース側に磁石があるので確実に収まる点がいい。

 本機でもうひとつ気にいったのは、音楽の再生/一時停止に使うボタンが、イヤホンのフェイスプレート部分ではなく、側面(上部)に付いていることだ。フェイスプレート部分にボタンがあると、押すときに本体を耳の奥に押し込んでしまい不快感がある。ATH-ANC300TWは、親指と人差し指でイヤホンをつまんで操作するため、ボタンを確実に押せ、耳に押し込む不快感もない。操作ボタンはA-T connectアプリから設定を変更し、左利き対応にもできる。

操作ボタンは、装着すると上部に来るので、目で見ずに操作する場合でも分かりやすい。

使用するコーデックやキーアサインなど、設定は細かく変更できる。

標準では、着信や再生/一時停止などを右側(右手)で操作する設定だが、左側(左手)に入れ替えることもできる。

 ペアリング方法は、Bluetoothイヤホンとしては標準的なもので、取り出した状態で、LEDが早く点滅していればペアリングモード、そうでない場合はスイッチを長押しすることでペアリングモードに入る。近くに一度接続したスマートフォンがあれば、ケースから取り出してすぐに接続ができる。音声ガイドは英語によるものだ。

充電ケース。上部がマットな質感になっている。

 ケースはさほど大きくはなく、しっかりとしたつくりで机の上に安定して置ける。上部の表面はマットで滑りにくい手ざわりになっており、ふたを開けやすい。充電用の端子はUSB Type-Cで右側面に付いている。

 イヤホン本体の状態表示ライトは、筐体下の位置にあり、控えめな白い色で光るのがよい。ほかのワイヤレスイヤホンではこのライトの主張が強すぎて、自分からは見えないが外で装着するには少し気恥ずかしいこともある。このあたりは、日本ブランドらしい細やかな気遣いを感じるところだ。充電ケースのふたを開けると、電池の残量がやはり白いライトで表示される。

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