コンパクトながら高性能、大型ヒートシンクで冷やしきるMini-ITXマザー
「Z490I AORUS ULTRA」
Mini-ITXフォームファクターのコンパクトモデル「Z490I AORUS ULTRA」は、恒例とも言えるMini-ITXの高機能製品となる。
今回の第10世代Coreプロセッサーが、インテルのメインストリーム向けCPUとして過去に類を見ないほどの多コア・高発熱であるのは周知の通りだが、その代償として、こうした小型製品では冷却面が大きな課題となる。
本製品は見た目にも分かる通り、Mini-ITXの製品としては極めて大きなヒートシンクを各部に備えており、それだけ排熱に配慮していることがうかがえるだろう。
CPUソケットまわりのレイアウトは狭いが、VRM部には各フェーズに90A Smart Power Stageを使用した8フェーズのデジタル回路を搭載。高さを抑えたタンタルコンデンサー、10層基板などの採用により、サイズが限られる中でも妥協のない設計が特徴だ。CPU補助電源は8ピン×1となる。
メモリースロットは2基で、対応メモリー容量は最大64GB(32GB×2、デュアルチャンネル)で、XMP設定でハイエンド製品並みのDDR4-5000をサポートする(Core i9またはCore i7使用時のみ)。
ストレージはSATA 3.0(6Gbps)ポート×4に加え、表面のM.2スロットに1枚、裏面のM.2スロットにもう1枚のM.2 NVMe SSDを搭載可能。また、ヒートシンク直下にはPCIe 4.0に対応するスロットがもう1つ用意されており、このサイズでもPCIe 4.0対応を実現している。
拡張スロットはPCIe 3.0x16スロット×1(最大x16動作)のみで、スロットが1つしかないこともあり、マルチグラフィックスには対応していない。金属補強された「Ultra Durable PCIe Armor」仕様となっており、次世代CPUとの併用でPCIe 4.0接続を利用可能だ。
背面インターフェース類は、USB 3.2(Gen2 Type-C)×1、USB 3.2(Gen2 Type-A)×1、USB 3.2(Gen1 Type-A)×4、USB 2,0×2、オーディオジャック×3などを装備。映像出力はDisplayPort×1、HDMI×1を備える。
なお、ITXモデルで搭載されるのがスタンダードといえるWi-Fi機能はWi-Fi 6対応であり、さらに有線LANポートは2.5Gbpsに対応している。
ここまで見てみると、サイズゆえに削られているスロットなどはあるものの、機能的には最初に紹介した「Z490 AORUS PRO AX」並みのポテンシャルの高さがあることがわかるだろう。
実売価格は3万2800円前後。小型かつ多機能であるがゆえに「Z490 AORUS PRO AX」と同じ程度に値は張るものの、第10世代Coreプロセッサーでコンパクトかつ高性能な自作PCを組もうと思えば数少ない有力な選択肢と言える。
小型PCを自作したい人にとって、確かな魅力を備えるモデルであることは間違いない。
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