日本の自動車アフター産業のプラットフォーム構築を目指すMiddleFieldは5月14日、国際物流サービスを展開する4PX EXPRESS JAPANと提携し、同社倉庫にてカーパーツの在庫管理ならびに発送業務を代行する、カーパーツメーカー向け物流サービスの提供を開始すると発表した。
同社は、自動車アフター業界(中古車・カーパーツ・整備・車検・自動車保険等、新車販売後に発生する市場の総称)にITを導入する事業を展開。現在の自動車アフター業界は、ほとんどが中小企業であり、IT化が遅れているため、ユーザー向けの情報が一か所に集約されておらず、本当に欲しい情報にアクセスすることが困難だという。
こうした課題を解決すべく、同社は、全国1300社のパーツメーカー・1000社の整備工場と提携し、中古車とカーパーツのECサイト「モタガレ」を運営。また、海外からのニーズに答えるべく、カーパーツの越境EC「MotaGare Global」も展開してきた。
EC事業を展開する中で、カーパーツメーカーによる対個人の商品発送において、サイズが大きい商品を長距離輸送することによる輸送コストや、在庫管理の場所的コスト、自社で発送業務をする人的コストなどの課題が見えてきたという。
このような課題を解決するため、同社は国際的に物流サービスを展開する4PX EXPRESS JAPANと提携し、国内外のカーパーツの物流改革を目指す取り組みを開始した。具体的には、同社が提携している全国1300社のパーツメーカーを対象に、同社倉庫での在庫管理、ならびに発送作業の代行をする物流サービスを展開。本サービスの提供により、カーパーツメーカーの物流における輸送コストや管理コスト、輸送コストといったあらゆる課題の解決を目指すとしている。
今回提供するサービスは、MiddleFieldの自社倉庫内にて、同社が提携している全国1300社のカーパーツメーカーの商品を在庫として保管・管理し、発送するもの。本サービスにより、カーパーツの物流における下記の3つの課題を解決するという。
課題①:高額な送料
エンドユーザーへのカーパーツの輸送は、ロット以下の個数単位での発送であり、またサイズが大きい商品も多いため、送料が割高になる傾向があった。本サービスにより、他社荷物との相乗りが可能になり、ボリュームディスカウントにより、より割安な送料での発送ができる。
課題②:在庫管理や発送作業にかかる人的/場所的コスト
従来、カーパーツメーカーの在庫は店舗内や自社倉庫で管理しており、在庫管理や発送作業は手作業だった。本サービスにより、MiddleField専用の倉庫にて、各メーカーの商品を在庫として保管/発送ができる。4PX EXPRESS JAPANのクラウド物流システムを流用することで、各メーカーごとの受発注作業や在庫管理がオンライン上で可能になり、大幅な業務圧縮できるという。
課題③:海外輸送
国際物流は輸出入を伴うため、国内物流に比べて手続きが煩雑で、対応していないカーパーツメーカーも多数あるという。今回のサービスは、国際的な物流カンパニーである4PX EXPRESS JAPANと同社のノウハウを相互連動させ、国内外問わず発送作業を代行する。これにより、今まで海外へ輸出が難しかったカーパーツの輸出を可能にし、海外のアフターパーツ市場の活性化を目指す。
今後は年内を目途にサービス提供開始を目指し、事業を推進ならびに強化していくという。本サービスをきっかけとして、日本の自動車アフターパーツ産業における物流を一手に引き受けることで、国内外の自動車ユーザーに安心かつ迅速にカーパーツを届けられる環境づくりを目指すとしている。
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