週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

CPUソケットはLGA1200、Intel 400シリーズチップセット搭載マザーボードに対応

Comet Lake-SことデスクトップPC向け第10世代Core発表、最上位のCore i9は10コア最大5.3GHzでCore i7/i5/i3はHT解禁!

2020年04月30日 22時00分更新

 2020年4月30日22時、IntelはデスクトップPC向けのメインストリームCPU「第10世代Coreプロセッサー」(開発コードネーム:Comet Lake-S)を発表した。ソケットは新たにLGA1200、マザーボードの対応チップセットはIntel 400シリーズとなり、各マザーボードベンダーから新製品が発表されている。

 「Comet Lake」と言えば、すでにモバイルノートPCやスタンダードノートPC向けまでカバーするUプロセッサー(開発コードネーム:Comet Lake-U)と、ゲーミングやクリエイティブ作業が得意なハイパフォーマンスノートPC向けにHプロセッサー(開発コードネーム:Comet Lake-H)が発表されているが、今回のComet Lake-Sも製造プロセスは共通して14nmとなる。

 つまり、第5世代Coreプロセッサー(開発コードネーム:Broadwell-K)から通算6度目の14nmプロセス製造CPUとなり、本格的なゲーミングPCユーザーや自作PCユーザーは「なーんだ。ウワサ通りかー」とがっかりしたかもしれない。筆者もそのひとりだ。

 しかしながら、Intelは第8世代Coreプロセッサー(開発コードネーム:Coffee Lake-S)では最大6コア/12スレッド、第9世代Coreプロセッサー(開発コードネーム:Coffee Lake-S Refresh)では最大8コア/16スレッドと上位CPUの物理コア数を伸ばしており、今回の第10世代Coreプロセッサーでは最大10コア/20スレッドを実現している。

 それではブランドごとに詳しいラインアップを見ていこう。

Turbo Boost Max Technology 3.0とThermal Velocity Boostに対応したCore i9

デスクトップPC向け第10世代Core i9/i7プロセッサーのラインアップ

 まずはCore i9ブランドだが、Core i9-10900K(10コア/20スレッド、3.7~5.3GHz)、Core i9-10900KF(10コア/20スレッド、3.7~5.3GHz)、Core i9-10900(10コア/20スレッド、2.8~5.2GHz)、Core i9-10900F(10コア/20スレッド、2.8~5.2GHz)の4SKUで、いずれも10コア/20スレッド仕様。自由度の高いオーバークロックが可能な倍率ロックフリーモデル、いわゆる「K付き型番」のTDPは125Wと、第9世代CoreプロセッサーのTDP95Wから上がっている。

 また、第10世代CoreプロセッサーのCore i9とCore i7ではTurbo Boost(以下、TB)機能が、HEDT向けのCore-Xシリーズに採用されていた「Intel Turbo Boost Max Technology 3.0」にグレードアップ。さらに、Core i9ブランドだけに許された特権として、「Intel Thermal Velocity Boost Technology」も解禁されている。各機能の詳細はそれぞれ過去記事を参照いただきたいが、簡単に言えば、どちらもCPUに余裕がある時は動作クロックが自動で上がる機能だ。

Intel Turbo Boost Max Technology 3.0の概要。1コアもしくは2コア駆動時に電圧を無理に上げずともクロックアップする機能で、クロックアップされるコアはあらかじめ決まっている

 続いては、Core i7ブランド。SKUはCore i7-10700K(8コア/16スレッド、3.8~5.1GHz)、Core i7-10700KF(8コア/16スレッド、3.8~5.1GHz)、Core i7-10700(8コア/16スレッド、2.9~4.8GHz)、Core i7-10700F(8コア/16スレッド、2.9~4.8GHz)の4種類となる。K付き型番はCore i9と同様TDPは125W。なお、Core i9もCore i7もサポートメモリークロックが最大DDR4-2933と、第9世代CoreプロセッサーのDDR4-2666から上がっている。

 最大の特徴は第9世代Coreプロセッサーで省かれたハイパースレッディング(以下、HT)機能が復活したことだろう。前世代では、Core i9は最大コア数のハイエンドでHT&TBあり、Core i7はCore i9のHTなし版という位置付けだった。しかし、第10世代CoreプロセッサーではHTが有効になったことで、「Core i9-物理コア2基」というポジションになった。

 価格帯も298~374ドルと、前世代(298~385ドル)と比べてもそん色ない範囲で収まっている。これはひとえに競合の第3世代Ryzen 7が8コア/16スレッド製品のため、それに対抗するための措置だと考えるのが妥当だろう。自社ラインアップのブランディングよりも、競合に対する牽制を重視した結果と考えれば、やはりどの業界も競争こそが最終的にはユーザーの利益になるのだなと実感した次第だ。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります