2020年4月17日午前2時(日本時間)より超人気サンドボックスゲーム「Minecraft for Windows 10」において、NVIDIAが擁するリアルタイムレイトレーシングとDLSS 2.0に対応する「Minecraft with RTX beta」へのアクセスが一般ユーザーに解放された。
Minecraftと言えば、源流でありMod類も数多く開発されているJava版と、家庭用ゲーム機版の2本の流れがあり、Windows 10版は後者がルーツとなる。Java版Minecraftは「影Mod」という形で様々なグラフィックの強化を追加でき、その中にも「SEUS PTGI」と呼ばれるレイトレーシングベースの影Modが存在した。しかし、Minecraft with RTX betaはグラフィックエンジンの強化でレイトレーシングを可能にしたものだ。
今回、NVIDIAはリアルタイムレイトレーシングをWindows 10版Minecraftに盛り込むにあたり、レイトレーシングの中でも非常に計算負荷の高い「パストレーシング」を利用して光や影、反射や拡散といった表現をすべて実装した(「Quake II RTX」でも採用済み)。さらに、物理ベースマテリアル(Physically Based Materials)を備えるブロックを組み込むことでより自然な表現を可能にし、DLSS 2.0を利用することでAIを利用してフレームレートを向上させることに成功している。
Minecraft for Windows 10のレイトレーシング対応版のリリースについては既報の通りだが、本稿では導入方法やパフォーマンス面を中心に解説していきたい。
Windows 10版Minecraftユーザーが対象
Minecraft with RTX betaで遊ぶ前に、まずはハードウェアとソフトウェア両面の動作要件を確認しよう。
●ハードウェア:GeForce RTX 2060(以上)のGPUと、Minecraft with RTX betaに対応したGame Ready Driver(445.87以降)
●ソフトウェア:Minecraft for Windows 10を所有し、「Minecraft for Windows 10 Beta」プログラムに参加すること
●OS:Windows10 May 2019 Update(バージョン1903)以降であること
CPUやメモリーなどの動作要件はMinecraft for Windows 10に準ずるので省略したが、RTコアは非搭載ながらDXRに対応しているGeForce GTX 10シリーズや16シリーズではMinecraft with RTX betaは動かない点に注意したい。GTX 10/16シリーズのDXRはCUDAコアを利用して処理するため、パストレーシング処理には性能不足と判断されたようだ。パストレーシングを採り入れた「Quake II RTX」でも、CUDAコアで処理するGTX 1080で動かすと相当に重かったので、「GeForce RTX 2060以上」を最低動作環境とする判断は妥当であると言える。
次にソフトウェア面だが、Windows 10のMicrosft Storeで販売されている「Minecraft for Windows 10」(有料)を所有しており、さらに「Xbox Insider Program」を通じてMinecraft for Windows 10のベータプログラムに参加することが必須となる。ここではMinecraft for Windows 10を所持している人が、Minecraft with RTX betaをプレイするための手順を次ページで簡単に解説しよう。
ここでの注意点は3つ。ひとつめはユーザーが殺到してなかなか登録が進まない可能性があるため、「気長に待とう」ということ。2つ目はすでにMinecraft for Windows 10を遊んでいる場合は、必ずワールドのバックアップをとっておくこと。そして、3つ目はMinecraft with RTX betaは通常のMinecraft for Windows 10とはマルチプレイができない(ベータプログラムから脱退すれば元に戻る)ということだ。
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