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プログラミングの本質と魅力を知りたくないか? 休校中の中高生のための5日間講座

2020年04月18日 09時00分更新

文● 遠藤諭(角川アスキー総合研究所)

豪華講師陣が4月20日(月)~4月24日(金)にリモート講座・質問コーナー

 一緒に全国小中学生プログラミング大会をやっている株式会社ギリアの清水亮社長のよびかけで「中学生・高校生のためのプログラミングの教養講座」というものが開催される。 4月20日(月)から4月24日(金)までの5日間、毎朝10~11時までの1時間、この時節なのでオンラインでの開催だが「質疑応答」も可能だ。

 今年は、小学校でのプログラミング教育の必修化がいよいよ開始されるとても大切な年であるのはご存じのとおり。ところが、そもそも学校の授業の見通しもままならないのが2020年4月中旬の日本の現状。そうしたなか、さまざまな対策や支援策などの取り組みをされているが、清水氏の試みはとても意味があると思う。

 これは、プログラミングのスキルを具体的に伝える授業やワークショップ的な内容ではない。「プログラミングはどんなものなのか」、「プログラミングによってなにができるのか」ということを最前線で活躍するプログラマー、科学者たちが日替わりで伝える内容となっている。5日間のプログラムは以下のようになっている。

 4月20日(月)「プログラミングってなんだろう」清水亮

 4月21日(火)「モノを動かすプログラミング」 今井大介(アスラテック)

 4月22日(水)「ゲームのためのプログラミング」大前広樹(Unityジャパン)

 4月23日(木)「人工知能のプログラミング」  布留川英一(ギリア)

 4月24日(金)「コンピュータの未来」     石井裕(MITマサチューセッツ工科大学教授)

 ふだんの学校の授業はたいして覚えていないが、たった1日の課外授業や科学館やコンサートなどでの体験は、とても鮮明に覚えているということはよくある。そして、それがが自分がやりたいことを見つけるヒントになり、その後の仕事や生きがいに繋がったという人は少なくないのではないか? 有名な宇宙飛行士やスポーツ選手や音楽家、あるいは自分の父親のふだんとは違う姿ということでもよい。

 今回は、それが第一線で活躍するプログラマーやコンピューター科学者だということだ。

 個人的には、5人の講師の方々が子どもたちに向かってどんな話をしてくれるかも楽しみだ。AI企業のトップである清水社長は、いままでもさまざまな形で子どものプログラミングに取り組んできた。「教育研究家とケンカして作った子どもプログラマー向けキーボードとは?」は、彼ならではの痛快なこの世界への提言だった。

 今井大介氏のいるアスラテック株式会社は、ロボットの会社といってもそれを動かすOSで有名な会社だ。今井氏自身は、電子工作のコミュニティー活動もされている。大前広樹氏のユニティ・テクノロジーズ・ジャパンは、モバイルからゲーム専用機やオンラインゲームまで、ほとんどあらゆるゲームで必須の「Unity」というツール提供元だ。これがないといまのゲームの世界がまるごと消えてしまうような重要なソフトウェアである。

 布留川英一氏は、清水氏が社長をつとめる株式会社ギリアの頭脳といってよい存在。そして、未来を語ってもらえるのがMITメディアラボで活躍してきた石井裕教授である。一般的な小学生が彼らが自分たちのために話してくれるのに触れるチャンスは滅多にないはずだ。

 この顔ぶれを見て気づくのは、いまどきの生きたデシダルの世界を語ってくれそうだということだ。ロボットはただ動くのではなくOSというものがある。Unityという1つのツールでいろいろなゲーム向けの3Dグラフィクスが一気に作られる。それ自体が語られるかどうかは私の知るものではないが、その深みから出てくる言葉は、IF THEN ELSEやFOR、WHILEを教える学校の授業や入門コースでは得られないプログラミングの世界の本質であり、魅力を教えてくれるに違いない。

 講座の申し込みは、この記事の文末にある申し込みサイトからとなるが、すでにZOOMの講座は満席、YouTubeでの調整のチケット申し込みとなる。

全国小中学生プログラミング大会は、全国各地のコンテストと「パートナー」になりたい

 ところで、冒頭で触れた全国小中学生プログラミング大会は、5年目を迎えた今年も開催を予定している。小中学生を対象としたプログラム作品を募るコンテストだが、例年夏休みにプログラミングにチャレンジしてもらいたいということで応募〆切は9月だった。今年は、〆切を延長することで調整を進めているところだ。

 また、今回から全国の地方自治体や教育委員会、各種団体などが主催する子供向けプログラミンコテストに「エリアパートナー」となっていただき、相互に連携することを計画している。それぞれのコンテストで募集内容や開催時期、審査方針も異なるはずだが、一定の審査を経た作品を本大会一次審査通過とするなどが可能なはずだ。正式な開催告知などのリリースはこれからとなるが、本大会の協賛スポンサー、メディアパートナーとともに、エリアパートナーに興味のある方は、公式サイトから問い合わせいただきたい。

 

遠藤諭(えんどうさとし)

 株式会社角川アスキー総合研究所 主席研究員。月刊アスキー編集長などを経て、2013年より現職。角川アスキー総研では、スマートフォンとネットの時代の人々のライフスタイルに関して、調査・コンサルティングを行っている。平成最後の日、NHK『ゆく時代くる時代』にガジェット鑑定士として出演。著書に、『近代プログラマの夕』(ホーテンス・S・エンドウ名義、アスキー)、『計算機屋かく戦えり』など。

Twitter:@hortense667 Facebook:https://www.facebook.com/satoshi.endo.773

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