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アウトランダーPHEVに見る三菱のSUVに対する考え方

2020年04月13日 15時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 車両協力●三菱自動車

アウトランダーのアドバンテージは
家電が使えること

 同価格帯の他社SUVではなく三菱のアウトランダーPHEVを選ぶ理由はズバリ「家電が使える」ことだろう。一般家庭1日分のバッテリー容量をもち、エンジンをバッテリー充電用の発電機として使えば、満タンだった場合9回の充電が可能。よって最大10日間のライフラインが確保できるというわけ。ここまでの電源確保ができる車両は、他にはない魅力であり強みだ。

経済性もアウトランダーPHEVの魅力

 ハイブリッド車ゆえに燃費の良さも魅力。カタログによると16.4km/Lだが、実際街乗りをすると20km/L近くまでいく。それだけなら、他社のハイブリッドエンジン搭載のSUVと変わらないが、購入時「クリーンエネルギー自動車導入事業補助金」として国から22万円の助成金が出るほか、自治体によっては交付金が出るところも。さらに新車登録から3年間の自動車税が75%減税となり、1年間1万円のほか、新車購入時と初回車検時の重量税が免税。サイズに比べて維持費が安いのはありがたいところだ。

運転席の様子

重厚感のある室内

Apple CarPlayに対応

高級感溢れるダイヤキルティング本革シート

リアシートはCセグメントハッチバックとは比較にならないほどの広さ

 しかし、それだけに留まらないのがアウトランダーPHEVの恐ろしさ。マイナーチェンジ版のアウトランダーPHEVの室内を見た時、そのラグジュアリーな車内に大変驚いた。三菱車のインテリアは加飾要素は少なく、アウトランダーPHEVも、他社の同価格帯SUVと比べると少ない。色使いもブラックがラインアップの主体。他にライトグレーの本革を用意する程度だ。明るい色合いをラインアップの主軸とする他社とは異なっている。だが、使っている革の質が低いのかというと、他社と比べ上質な印象で、イイモノ感が漂うのだ。

アウトランダーPHEVのサイドビュー

 走ってみると、さらにイイモノ感が強まる。2.4リットルエンジン版になってから、EV走行の比率が上がったようで、ほとんどエンジンが動くことがない。つまり車内が恐ろしく静粛なのだ。高速走行などパワーが必要な時はエンジンが駆動するのだが、それとて低回転。ここまで静かなSUVは他にないのではなかろうか。モーターゆえか走りだしなどがとてもスムーズ。乗り心地もSUVらしく柔らかめ。助手席や後席に座った人は、その快適な居心地の良さに文句の1つも出ないことだろう。

アウトランダーPHEV

【まとめ】運転して退屈なクルマではない
三菱だから味わえるクロカンテイスト

 ではドライバーにとって退屈なクルマなのか? というと、そうではない。マイナーチェンジで車体剛性が強化されており、スポーツモードにしてワインディングロードを走れば、低重心さと相まって、思いのほか楽しめる。そして三菱だから味わえる本物のクロカンテイストが楽しい。

 S-AWCなどの四輪駆動技術は、悪路で本領発揮するものだが、一般道で享受できないのかというと、そうではない。車体の安定感や安心感といった五感から「歴史の重み」を感じる「本物」さは、ちょっと他社とは違うフィール。三菱を買った人は、次も三菱を選ぶ傾向があるそうなのだが、確かにその気持ちは十分にわかる。

アウトランダーPHEVのリアと取り付けられたエンブレム

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