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サイコムがプロゲームチームを本格支援!

「CrazyCatsCosmo」所属の“猫”達の新しい住処、ゲーミングハウスとはどんなところ?

2020年03月28日 11時00分更新

ゲーミングハウスに喜ぶCCCのメンバーに対し
スポンサー、サイコム山田氏が言い渡した条件とは……

 ゲーミングハウスとそこで行なわれている垂れ流し配信について紹介してきたが、もちろんこのゲーミングハウスはスポンサーであるサイコムによる提供だ。欲しいと言われれば何でもホイホイ買ってくれるお爺ちゃんではなく、ビジネスパートナー。当然、その対価は結果で示すしかない。

 CCCは昨年のPJS Season2 Phase2 PaRでGrade2へ昇格、PJS Season2 Phase2 Grade2では6位となりストレートの昇格こそ逃したものの、続くPJS Season3 Phase1 Grade2では見事Grade 1へと昇格を果たした。

 PJS Season3 Phase2からはGrade1での戦いとなったが、不慣れなためか順位は振るわず降格をギリギリ逃れる12位。PJS Season4 Phase1 Grade1でも11位と危ういまま。そしてPJS Season4 Phase2 Grade1ではついに14位となってしまい、Grade2への降格となってしまった。

 ゲーミングハウスの具体的な話はこの頃に出てきたもので、Grade1残留の報酬というわけではなく、どちらかといえば、「廃部の危機にある弱小運動部が存続をかけ、サイコム山田校長を説得し、チャンスをもらった」といったほうが分かりやすいだろう。

「選手たちが真面目にゲームに取り組んでいるのと同様、こちらもビジネスです。スポンサーの立場から言わせてもらえば、こちらのメリットが出るようなにか工夫して欲しいところですね」(サイコム山田氏)

サイコムのPC構成の立案からイベント企画まで、精力的にこなす山田氏。CCCとの交渉も行なっている

「まずは試合で結果を出せ」と直接は言われていないものの、CCCができる工夫といえばファンを増やすこと、そして結果を出すことしかない。チームの運営を任されている佐藤氏としては、この時期のGrade2への降格は痛手だったろう。

 ここでPaRからGrade1まで共に戦ってきたMAO選手とvortex選手が移籍となり、新たに選手を2名募集することとなった。

 この時にはすでにゲーミングハウスの構想があり、ゲーミングハウスへの住み込み前提、給料なし……どころかむしろ食費を負担してもらうかもしれない、長く一緒に戦える選手などなど、厳しい条件で募集をかけた。

 この時に選ばれたのが、以前2チーム体制だったころのチームメイトとなるcoolit選手と、直前まで「JUPITER CORE」でアナリストを務めていたkamitas選手だ。

 coolit選手はやりたいことが分からなくなったときに「ゲームがやりたかったんだ」と気づき、猛練習を重ねプロゲーマーへ。「Team RAYZE 2」でアタッカーとして活躍したのち、古巣に戻ってきた形だ。奇しくも選手を辞めるか、どこか別のチームを探すかというタイミングだった。

努力のみでやってきた、というcoolit選手。誰よりも練習量が多い。カラオケが上手い

 kamitas選手はPJS βリーグからアマチュアとして参加し、いくつかのチーム移籍を経てJUPITER COREのアナリストに。選手に復帰するなら上位が狙えるチーム、ゲームに理想的な環境があるチーム、トッププロになれるチームを希望しており、集中できるゲーミングハウスに魅力を感じたとのこと。都内の会社に勤めるサラリーマンだったものの、復帰に伴い退職している。

元営業職とのことで、落ち着いてわかりやすい話し方が印象的だ

 coolit選手はPaRからGrade2への昇格、そしてGrade2での経験があり、kamitas選手はアナリストとしてだけでなく、PUBG TechnoBlood CUP 2019 Season3のDuo部門でシーズン総合優勝、同大会のグランドファイナルのsolo部門では2019年の総合優勝という実力の持ち主。新規加入選手として、これ以上はないほど頼もしい2名だ。

ゲーミングハウス設立直後の大会でトラブル
それでも、すぐ近くにいるという安心感

 新生CCCとしての最初の公式戦は、2019年12月に行なわれた「Predator League 2020 Japan Round」。参加枠制限なしからWeek1(1次予選)で24チームに絞り込み、これにPJSトップ8チームを加えた32チームでWeek2(2次予選)を戦い、16チームへ。この16チームでWeek3(予選ラウンド決勝)を行ない、上位2チームが世界大会に参加できるというものだ。

Predator League 2020 Japan Roundのルール解説。2回の予選を経て、世界大会をかけた決勝が行なわれる

 Week1ではRound1でkamitas選手が入れないというトラブルに見舞われたが、そこは選手4名が集まるゲーミングハウスのいいところ。すぐに状況が理解され、これといった混乱も起こらなかった。トラブルこそあったものの、総合22位で無事にWeek1を突破。

 続くWeek2ではPJSトップチームが加わるため厳しい戦いになったものの、Round4でドン勝(ラウンド優勝)を取るなど好調で、総合15位となりWeek2も突破。

 決勝となるWeek3ではRound3でドン勝を取るも世界への切符はまだ遠く、総合9位という成績で終了となった。とはいえ、総合9位。選手が2名交代して間もないにもかかわらず、しっかりと結果が出せたといえるだろう。CCCの存在感は十分アピールできたに違いない。

 ただし、やはり成績をしっかりと残しておきたいのはPJS。サイコム山田氏からは「Grade1復帰はマスト」などの厳しい条件は出ていないものの、PJS Season5はゲーミングハウス移住後の最初の大会だ。ここで結果が出せなければ、スポンサー側がよしとしてもCCCとしては立場がない。

「あえて条件を出すとすれば、PaR(Grade2の出場チームを決定する予選)に降格したらさすがに考えさせてもらいます」(サイコム山田氏)

 元々Grade1のチームのスポンサーになることを考えていただけに、Grade1の常連となれないどころかGrade2にも留まれないようであれば、考え直すというのは当然だ。

 その期待に応えるかのように、Day1、Day2ともに上位をキープ。キルポイントを多く稼いでいたこともあって、Day2終了時点で総合2位という好成績になっていた。ドン勝なしで総合2位というのはある意味異常なことで、それだけ安定して勝てている、実力が高いことの裏付けともいえる。

Day2が終わった時点での順位は2位。トータルポイントでも3位に7ポイント差で、昇格がかなり現実的なものになっていた

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