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無条件で歓迎すべき「2倍になったストレージ」

新「MacBook Air」キーボードが好感触!ストロークと静音効果を備えるまさにマジック

2020年03月20日 21時30分更新

ほどよいストローク感としっかりとした感触を両立した「Magic Keyboard」

 ディスプレーを開いて目で見ただけでは、キーボードやトラックパッドまわりも、旧モデルと実質的な違いはほとんどないように思えるだろう。しかし、そのキーボードこそ、今回のアップデートで最も大きく変化したと言っても過言ではない部分なのだ。

Magic Keyboardの構造(アップル公式サイトより)

 機構的なことを先に言ってしまうと、今回のMacBook Airには、これまでのバタフライ式ではなく、シザー式のキーボードが採用されている。バタフライ式は、今はラインナップから消えてしまった、後ろに何も付かないアルミボディの「MacBook」に初めて採用され、その後、MacBook Proや、このAirにも波及した方式。キースイッチとキートップを結びつける可動部分が、ちょうど蝶の羽のような形をしている。それに対してシザー式は、その部分がハサミのような形の機構となっているわけだ。

 そして、そのアップル独自のバタフライ式は、だいたい誰に聞いても評判がよろしくなかった。機構そのものに問題があるというよりも、むしろ設計ポリシーの問題と思われるが、ストロークが非常に浅く、音もパチパチとうるさく感じられるものだった。筆者も個人的にバタフライ式キーボードを備えたMacBook Proを使っているが、できれば長時間のタイプ入力は避けたいと思わせるようなキーボードで、ほぼ唯一、そのモデルの中で納得できない部分であり続けている。

 仕組みや理屈はともかくとして、実際にこのMacBook Airを使ってみれば、まず最初に気付くのがキーボードの感触の違いだ。確かにストロークは深くなり、タイピング音も静かになっている。まだ何時間も連続して使ってみたわけではないが、旧来のストロークが浅いバタフライ式のものに比べて、打ち間違いも少なくなるように感じられる。そんなのは慣れの問題だろうと思われるかもしれないが、旧バタフライ式のキーボードは、いわばいつまで使っても慣れることがない、というのが問題だった。

 このキーボードは、実質的に昨年末に登場した、MacBook Pro 16インチモデルのキーボードと同じものと考えてよさそうだ。ちなみにアップルでは、この新しいシザー式のキーボードを「Magic Keyboard」と呼んでいる。確かにこの薄さで、それなりのストロークを実現し、同時に静音効果も盛り込んだとなると、そこには何らかのマジックが働いているのかもしれない。

 なお、この新しいキーボードのストロークは、公称1mmとなっている。すでに述べたように、本体の厚みが旧モデルに対して0.5mmだけ増加していることを考えると、旧モデルのキーボードのストロークは、数字で言えば0.5mm程度だったものと推定される。キーボードを真上から見ている限りわからないが、確かに新しいキーボードでは、以前のものよりも、本体からの飛び出し量がわずかながら増えているように感じられる。もちろん、それによってキートップがディスプレーの表面に接してしまうようなことはない。

 しなやかさが感じられるほどのほどよいストローク感と、左右方向のブレやグラつきが、まったく感じられないしっかりとした感触を両立した秀逸な新しいMagic Keyboard。私感として感触だけを言えば、もうちょっとだけストロークが深いほうが好きかもしれないが、それで本体が厚くなるなら「これくらいがちょうどいいかも」というスポットを突いているように感じた。

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