対戦系ゲームをやりこむようになってくると、絶対に必要になるのがヘッドセット。視界外から忍び寄る敵の足音をしっかり聞き取らねば死が待っているし、チームメンバーに自分の声が届かねば連携も危うい。ゲームサウンドの臨場感を高めるためだけならお気に入りのヘッドフォンを使えばよいが、より巧みな連携を目指すならまずはちゃんとしたヘッドセットを持つべきだ。
だが、いざヘッドセットを買おうと思うと、どんな製品を選べばよいかわからないという人も多いのではないだろうか。ドライバー系や方式(密閉かオープンか)の違いといったスペック的な要素に加え、予算や装着感も吟味しつつ厳選せねばならない。すでにお気に入りの1台が決まっているならよいが、さっぱりわからない! という人にお勧めなのがロジクールの『G231 Prodigy(以下G231)』だ。これは同社で以前販売されていたヘッドセット『G230』の後継モデルというべきものだが、細部が微妙に変更されている。実売価格は7200円前後と、ゲーミングヘッドセットとしてはエントリーミドルといった位置づけの製品だが、今回はこれをレビューしてみたい。
↑ロジクールのゲーミングヘッドセット『G231 Prodigy』。先代G230が黒+赤の組み合わせなのに対し、G231はグレー+オレンジに変更されている。実売価格は7200円前後。 |
↑ジサトラショータに装着してもらった。耳の部分をすっぽりと覆い、外界の音をシャットアウトする密閉型となっている |
↑側面のマイクは跳ね上げ式になっている。マイクの中央部分は柔軟性があるので、口の位置に合わせ微調整可能だ |
↑ショータは頭が小さめなのでほぼ無調整で入ったが、幅を調整する機構もちゃーんと装備 |
G231の一番の変更点は、PCのみならず家庭用ゲーム機やスマホ・タブレットなどでも使えるよう、CTIA規格の3.5mm4極ミニプラグになったことだ。PS4やXbox Oneならコントローラー側のヘッドセット用ジャックに装着すれば使え、PCには同梱の変換ケーブル経由でヘッドフォン&マイク端子に接続する。ハードウェア的に何ら特殊な機能(サラウンドなど)がないぶん、挿すだけで使えるのは気楽そのものだ。
↑パッケージには「Xbox One/PS4/PC(対応)」のシール。いろんなプラットフォームを取っ替え引っ替え遊ぶゲーマーにとってはうれしい製品だ |
↑G231のプラグは4極になっているため、一般的なPCに接続する場合は同梱の変換ケーブルを使う。PS4コントローラーやiPhoneなどには変換せずにそのまま接続する。 |
ヘッドセットそのものの設計はG230と共通だ。内蔵されているドライバーの口径は40mm、折りたたみ式単一指向性マイク、インラインのコントローラーを備えるなど、基本スペックは(カタログ数値の上では)ほぼ同一。
イヤーカップは耳をすっぽり覆い、外界の音をシャットアウトする密閉型……までは同じだが、パッドのテクスチャーがやや粗めの素材に変更された。同社のG230でも、ゲームでエキサイトして汗をかいてもサラッとした感触になる素材(スポーツパフォーマンスの布製イヤーカップと称している)を使っているが、G231はそのサラサラ感がより感じられる素材に変更することで、長時間装着していてもムレを感じにくくなっている。パッドはやや固めで、オーディオ用のフカフカなヘッドフォンに慣れていると、最初は肌と当たる部分に違和感を感じるかもしれないが、それもすぐに慣れるだろう。
取り外して洗濯すれば、臭いの心配もない。汗+加齢臭のコンボでヘッドフォンを捨てられた経験がある筆者にとってはG231の配慮はとても魅力的だ。
↑イヤーカップは耳の形状に合わせ逆台形になっている。イヤーカップの素材が従来よりも目の粗い素材になったおかげで、触感は非常にサラリとしている。レザーの柔らかさとは違ったベクトルの快適さだ |
肝心の音質は……というと中~高音部が聞きやすく、ゲームの臨場感を引き立たせるセッティングだ。銃声や着弾音といった音のエッジがしっかり立って聞こえるため、ゲームの中で何が起こっているかより認識しやすくなった。機能がシンプルなぶん軽く(公称値:236g)、イヤーカップも不快感を感じにくいような設計になっているため、長時間ゲームをしても快適。頭を振っても簡単にはズレないが、頭の側面が痛くなるほどではない絶妙な固さも◎だ。
↑ケーブルの途中にあるコントロールボックス。側面にボリューム調整用ノブ、中央にマイクをミュートするスイッチという定番のつくり |
G231は、どんなゲーミングヘッドセットを使えばよいのかわからない人にとっては実によくまとまった製品だ。G231はエントリーモデルとはいえ、実売価格7200円前後とそこそこの値段がする(ヘッドホン好きなら安いのかもしれないが……)が、おそらくコレを買ったら買い換える必要のないぐらい完成度は高い。強いて言えば、グレーのプラスチックがG230に比べると安っぽく見えてしまうのが難点だが、エントリーモデルにそこまで求めるのは酷というものだろう。それだけG231のコスパは高いのだ。
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