週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

無線LAN中継機『WEX-1166DHP』はアンテナ角度で速度が変わるって本当ですか?

2016年04月02日 11時00分更新

WEX-1166DHP
コンセント直挿しで利用できる無線LAN中継器『WEX-1166DHP』。実売価格は8160円前後。

 自宅が一軒家や広めのマンションで、無線LANルーター1台だと上階やトイレでネットが遅い――そんな悩みを抱えている人は意外と多いのではないだろうか。そうした電波状況の改善に役立つのが、無線LAN中継機だ。中継機があれば、無線LANルーター(親機)の電波を中継することで、親機から離れた場所の通信速度を向上できる。

 一般的な無線LAN中継機はコンセントに挿すだけで利用でき、筐体もコンパクトな半面、通信速度は最大433Mbpsでアンテナは1本のみなど、性能的にはそれほど高くない製品が多い。より高速な中継機が欲しいなら、オススメはバッファローの『WEX-1166DHP』だ。

 本機はIEEE802.11ac対応で、アンテナが2本の2×2接続に対応。5GHz帯の通信速度は866Mbps(理論値)と高速だ。アンテナは内蔵ではなく可動式の外付けとなっている。

WEX-1166DHP
↑背面はコンセントに差し込むプラグがあるだけとシンプル。
WEX-1166DHP
↑左側面には電源ボタンと2.4GHz帯と5GHzの切り替えスイッチ、“RESET”ボタンを備える。

 サイズは160(W)×28(D)×80(H)ミリで、同社の小型中継機『WEX-733DHP』と比べ、幅が倍以上大きい。実際にコンセントに挿してみたところ、2本のアンテナが離れているため、上のコンセントを塞ぐ形にはならないが、見た目にもインパクトがあり、場所によってはやや邪魔になる。そのぶん従来機よりも速度が向上し、外部アンテナの角度を変えることで、電波の向きを最適化できるのが大きな特徴だ。

 親機との接続は簡単で、親機のWPSボタンと本体前面のWPSボタンを押すだけ。本体とスマホの接続も、スマホの“WPSプッシュボタン”で行なえる。

WEX-1166DHP
↑“WPSプッシュボタン”を使えば、パスワードを入力することなく親機と接続できる。
WEX-1166DHP
↑同社のアプリ『StationRadar』を使えば簡単に接続設定の変更が可能。
WEX-1166DHP
↑アプリ画面からは、通信中の機器と通信状況を確認できる。

 本体の設定画面を表示する方法としては、PCのブラウザーに直接IPアドレスを打ち込む方法がメジャーだ。しかし、中継機と親機を接続した後はIPアドレスが変更されてしまうため、子機側のIPアドレスを固定していないと、いつまで経っても設定画面にアクセスできない……なんてことも起きてしまう。そんなときは同社のスマホ向けアプリ『StationRadar』を使えば、本体をすぐに見つけられ、簡単に設定画面を開くことができる。

 PCの場合も、同社のウェブサイトからダウンロードできる『エアステーション設定ツール』を使えば、同じように本体を自動で探してくれるので活用しよう。

 では、実際の速度はどうなのか、IEEE802.11ac、1×1のスマートフォン『Xperia Z3』を接続して速度を検証してみた。検証時間は比較的近隣の電波が穏やかな午前7~8時の時間帯に行なった。

WEX-1166DHP
↑テストは横浜の某所の住宅街にある自宅。多いときで20個ほどSSIDが確認できる環境化。LTE通信は2階のどの位置でも下りが平均20Mbps以上、上りが3Mbps以下。
WEX-1166DHP
↑1階にある親機に2階からXperia Z3で直接通信した場合の速度。
WEX-1166DHP
↑『WEX-1166DHP』に接続した際の通信速度は下りで40Mbps以上、上りが70Mbps前後。1階にある親機から直接接続した際よりも明らかに速度が向上した。

 次に、同社が推奨するようにアンテナの角度を変えてみると速度が変わるかどうかをテストしてみた。『WEX-1166DHP』には、使用環境に応じたアンテナの角度調整方法を記載したマニュアルが付属している。マニュアルによると、親機が中継機の上下方向に設置されている場合、アンテナを本体に対して垂直にすると良いようだ。

WEX-1166DHP
↑アンテナの角度を垂直に変更。うっかり足をひっかけたりしないように注意。
WEX-1166DHP
↑結果、確かにやや速度が向上した。

 アンテナの角度を変えたあと、再度通信テストをしたところ、やや速度が向上した。設置場所によってはアンテナが邪魔になることもあるだろうが、さらに通信速度を改善したい場合はぜひ試してみるとよいだろう。

WEX-1166DHP
↑中継機としては珍しく、ギガビットLAN端子を備える。無線機能を持たないネットワーク対応機器でも、ケーブルを接続すれば無線化できるので便利。

 さらに、本機は中継機ながら、ギガビットの有線LANを備える。そのため、親機から離れた場所にあるネットワーク対応のテレビやNASをケーブルで接続し、高速通信で無線LAN化できる。

WEX-1166DHP
↑電源の延長ケーブルとスタンドが付属しているため、有線LANで接続する場合は、コンセントから離して使える。

 今回は試していないが、IEEE802.11ac、2×2接続が可能なノートPCなどで利用する場合、さらに通信速度が向上すると予測できる。ややサイズは大きいが、無線LAN接続に対応しないAV家電やゲーム機の無線化、アンテナ2本のノートPCの高速通信など、1×1対応の中継機よりも汎用性が高いのが本機の魅力だ。

 実売価格は8160円前後と、従来機の『WEX-733DHP』よりも実売で約2500円高価となっている。複数台の無線LAN機器を親機から離れた場所で使いたい、高速な中継機が欲しいという人には、『WEX-1166DHP』がオススメだ。

■関連サイト
『WEX-1166DHP』製品ページ

 

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります