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置くだけでルーターの電波強度を改善?ルータードックの効果を検証してみた

2016年10月02日 09時00分更新

WIFI MAXIMIZING Router

 自宅で無線LANルーターを使っていて気になるのが、部屋によって電波強度が違うこと。筆者宅の場合だと、ルーターから近い部屋ならいいが、10m近く離れた風呂場は、壁に囲まれていることもあり結構キツイ。中継用のルーターを設置しようと真面目に考えていたところだ。

 そんなとき、目に止まったのがINFLUXの『WIFI MAXIMIZING Router Dock』という製品だ。この上にルーターを置くだけで電波強度が改善されるというのだが、どれほどのものなのだろうか。実際に使ってみた。

WIFI MAXIMIZING Router
↑INFLUX『WIFI MAXIMIZING Router Dock』。実売価格は7500円前後。

 さっそく箱を開けてみると、黒い板状の物体が現われる。幅304mm、奥行き229mmとかなり大きい。組み立ては簡単で、L字状に広げて固定するだけ。ルーターを乗せる部分は平らではなく湾曲しており、壁側も同様に湾曲している。ドックにはシート状の素材が貼り付けられているが、特許を取得した秘密の素材らしく、これにより電波を効率よく反射して「WiFiの電波強度を50%高められる」と記載されている。「置くだけで電波改善」というとオカルト的に聞こえるかもしれないが、理屈はシンプルだ。

WIFI MAXIMIZING Router
↑組み立てるとこんな感じ。貝が開いたような状態だ。
WIFI MAXIMIZING Router
↑表面はテカテカで、カーボンのような雰囲気の素材。

 今回設置したルーターは、エレコムの『WRC-1750GHBK2-I』。コンパクトなサイズなので、このドッグにはちょっと不釣り合いだが、とりあえず縦置きに設置してみた。アンテナが内蔵なので、キホン的には縦でも横でも大丈夫そうではある。サイズ的にはASUSの『RT-AC87U』あたりがちょうど良さそう。アンテナも4本立っているのでなんとなく効果も期待できそうな感じがする。

WIFI MAXIMIZING Router
↑エレコムのルーター「WRC-1750GHBK2-I」を設置。ケーブル通し用の穴が用意されている。

 ルーターを設置する際の注意点は、背面の板から4~8cm離すこと。そうしないとパフォーマンスが落ちるという。ただし、付属のマニュアルには2~3cm離せばよいとも書かれており、とにかく離していればよいようだ。

 また、電波を反射させて強度を高める仕組みのため、必然的にドッグの裏側には電波が飛びにくくなるので、設置する場所も最適な位置にしなければならない。家の中心に置くよりは、壁際や角に設置して電波が家中に行き渡るようにするのがベストだろう。

WIFI MAXIMIZING Router
↑背面はハニカム形状をしている。スマホをこの位置にして電波を計測すると、強度はかなり落ちる。

 さっそく、Xperia Z5 Premiumで『電波強度チェッカー』アプリを使用して計測してみた。ドックがある場合とない場合で各部屋で計測。その結果、壁越し4mほど離れたいつも仕事をしている部屋で、その差が2.4GHz帯で11db、5GHz帯で8dbと、確かにドックがあるほうが電波強度が高いことが確認できた。

WIFI MAXIMIZING Router
↑左がドックなし、右がドックあり。場所は約4m離れた隣の部屋。ドックありのほうが電波強度が高い。
WIFI MAXIMIZING Router

 電波の入りにくかったお風呂場でも、ドックがあるほうが2.4GHz帯で4db、5GHz帯で7dbよい結果に。さすがに“50%改善”というわけにはいかなかったが、とにかく電波の改善はされていることがわかる。

WIFI MAXIMIZING Router
↑左がドッグなし、右がドッグあり。場所は約10m離れたお風呂場。やはりドッグありの方が電波強度が高い結果に。
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WIFI MAXIMIZING Router
↑ちなみにルーターとの距離50cmほどの場合は、電波強度がフル。

 正直な所、わずかな電波強度の差ではあるが、動画のストリーミング再生が途切れにくくなったりするのでメリットは感じられる。さらに最適な配置を模索したり、各家庭の環境によっては、より電波強度が増す可能性もある。

 最大のネックになりそうなのは、実売7500円前後というやや手を出しにくい価格だ。すでに高性能なルーターを使っているが思うような速度が出ない、近くに電波を阻害するような家電があるものの、やむを得ない事情でルーターを移動できないなど、電波の干渉があるような環境では効果が期待できるが、単に家庭のルーターが古くて速度が出ない、一軒家でルーター1台では電波をカバーしきれていないというような場合、素直に同じような価格で2×2接続対応のルーターや無線LAN中継機を購入したほうがよいかもしれない。導入を考えるなら、まずは自宅の電波環境をよく吟味する必要があるだろう。個人的にはサイズが小さいバージョンがあるとうれしいかも。

■関連サイト
『WIFI MAXIMIZING Router Dock』製品ページ

 

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