一時は飛ぶ鳥を落とす勢いで世界中に存在感を知らしめたシャオミ(Xiaomi)。一方“元祖中国スマホの顔”を奪回するため高性能端末を着々と増やしていったメイズ(Meizu)。中国のこの新興2社は9月第4週に新製品を発表しましたが、製品の方向性は全く逆を向いたものとなりました。
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↑カジュアルなハイスペック機『Mi4c』。 |
シャオミが発表したのは高性能かつ低価格なモデルの『Mi4c』。チップセットは『Snapdragon 808』を採用しながら日本円で2万台の価格は高いコストパフォーマンスを誇ります。本体カラーは5色展開の予定です。
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↑側面タップで操作できる“Edge Tap”。 |
新たな機能として、本体の側面をタップすることで操作が可能な“Edge Tap”を搭載。側面にボタン類は無く、親指などで適当な位置でダブルタップすると戻るキーと同じ操作が行なえます。ブラウジング中にダブルタップすれば前の画面に戻るわけです。また、カメラアプリ利用中なら側面のシングルタップでシャッターを切ることが可能。何気に便利な機能ですね。
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↑iPhoneとあえて違うテイストを選んだカラーバリエーション。 |
5色のカラバリはホワイト、ブラック、ライトブルー、イエロー、ピンク。金属質感を活かしたiPhone 6系とは異なり、より若い世代をターゲットにしたカジュアル感の強い色合いとなりました。昨年発表のフラッグシップモデル『Mi4』はむしろiPhoneに似てきたという声も多く聞かれたのですが、このMi4cはiPhoneには無いイメージの仕上がりとなっています。
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↑全体のスペックの進化は無し。 |
チップセットこそMi4のSnapdragon 801からスペックアップしましたが、背面カメラは1300万画素で変わらず。正面カメラは逆に500万画素に落とされました。ディスプレーも5インチフルHD解像度のままで、他社のフラグシップモデルがWQHD解像度に移行する中、むしろ時代遅れな印象も受けてしまいます。これは今回のモデルが『Mi5』という次世代品ではなく、Mi4のマイナーチェンジ版だからでしょう。
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↑価格とデザインが売りの製品か。 |
価格も16GBモデルで1299人民元、約2万5000円と安くなりました。この性能でこの価格は確かにお買い得なのですが、他社品で多少スペックが落ちたモデルでも同価格帯の製品が存在します。パステル系の色合いの本体カラーからもわかるように、フラグシップモデルと言うよりも女性をターゲットにしたスタイリッシュな製品ということなのですね。iPhoneやGalaxyシリーズのライバルとは言えない製品なのはやや寂しいところ。
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↑フラグシップとなるメイズ『PRO 5』。 |
メイズが発表した『PRO 5』はすでに今年発売を開始した最上位モデル『MX5』のスペックを引き上げたモデル。5.7インチディスプレーにメモリー4GB、高画質カメラ、そしてCNC加工による高品質なメタルボディー仕上げとするなどライバルはずばりiPhone 6s Plusと言える製品です。
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↑ホームボタンは指紋認証対応。 |
最近のスマホはソフトキーだけで操作するものが増えていますが、メイズはホームボタンを備え指紋認証センサーも内蔵させています。本体のロックや支払いサービスの本人認証にも利用可能。このあたりはiPhoneのみならず、サムスンのGalaxyシリーズもライバルとして見ています。
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↑カメラは2100万画素。スペックは高い。 |
チップセットは『Exynos 7420』、メモリー3GB+ストレージ32GBのものとメモリー4GB+ストレージ64GBの2モデルが用意されます。背面カメラは2100万画素、正面側は500万画素となります。ディスプレーの解像度がフルHDなのがやや物足りないところ。実はメイズのフラグシップモデルは昨年の『MX4 Pro』で5.5インチ1536×2560ドットとWQHD越えの解像度のものを搭載していたのです。
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↑重厚感あふれる高級品。 |
ボディーカラーはゴールド、シルバー、ブラック、シルバー+ブラック仕上げの4つのバリエーション。質感もiPhoneライク。価格は3GB版が2799元、約5万2000円ですが十分納得のいくでき栄えでしょう。
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↑どちらもUSBはType-Cを採用。 |
なお、両モデル共に外部コネクタはUSB Type-Cを採用しています。大手メーカーではまだ採用しているところはありませんが、中国の新興メーカーはこのあたりの切り替えが早いですね。
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↑話題を集めるのは果たしてどちらのスマホか。 |
両者の製品はアジア各国でも販売されており、この2製品も高い注目を集めています。シャオミMi4cは値段の安さとカラバリが魅力ですが、同社はすでに低価格モデル『紅米』シリーズを出しており自社製品内での差別化が難しいところ。一方メイズPRO 5はハイスペックなものの価格はやや割高に感じられます。果たしてこの2モデルのうちどちらが販売数を伸ばすのか、そしてiPhone販売への影響をどれくらい与えることができるのか、興味深いところです。
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