KDDIは、同社が提供中の動画配信サービス“ビデオパス”に関して、テレビ朝日との業務提携を発表しました。テレビ朝日の最新作品や共同制作のコンテンツが視聴できるだけでなく、ビデオパスユーザーのビッグデータを活用したコンテンツ制作が行なわれるようになります。
↑発表を行なったKDDI代表取締執行役員専務の髙橋誠氏(写真左)と、テレビ朝日常務取締役の角南源五氏(写真右)。 |
今回の業務提携による注目ポイントは以下の2つ。
・テレビ朝日の最新&人気コンテンツの独占配信
・KDDIのビッグデータを活用したコンテンツの共同制作
1点目は、テレビ朝日の最新ドラマや人気コンテンツをビデオパス上で独占配信するというもの。今回発表されたものは、現在放映中の金曜ナイトドラマ『民王』(原作:池井戸潤)で、8月21日の第4話放送以降、翌朝7時から最新話までの全話見放題で独占配信されます。加えて、バラエティー番組も順次ビデオパスで配信。8月25日午前7時から『お願い!ランキング』の1部内のコーナー“お願い!ビジコンサロン〜ホリエモンも驚く画期的ビジネスがぞくぞく登場〜”が配信予定です。
↑最新ドラマ『民王』が独占配信。 |
↑“お願い!ビジコンサロン〜ホリエモンも驚く画期的ビジネスがぞくぞく登場〜”では堀江貴文氏らが登場。 |
もうひとつのポイントであるビッグデータの活用とは、ビデオパス会員から集めた情報を分析しテレビ朝日のコンテンツづくりに役立たせるというもの。活用例は、ユーザーの離脱タイミングを分析し番組の適切な尺や山場のタイミングを検討したり、ユーザーの視聴傾向を分析して“視聴見込みの高い”コンテンツを企画したりするなど。
今回はその具体的な例として、AKBグループ(AKB48、SKE48、NMB48、HKT48)によるエンターテインメントドラマの共同制作が決定。10月からテレビ朝日の地上波深夜枠で放映され、ビデオパスには地上波放送番組とともに同クオリティーのアナザーストーリーを配信するとしています。これは現在100万人超のビデオパスのユーザーの視聴動向を分析したところ、“AKB”や“アイドル”、“魅力的なヒロインのドラマ”がメインユーザーにヒットするとわかったためだといいます。
KDDIの髙橋氏は「(ビッグデータの分析をもとに)こういうコンテンツをつくってくれ、とは言わない。あくまでも参考要素、コンテンツをつくる人たちの“秘書”のようなイメージをしている」と語っていました。
↑ビッグデータをコンテンツづくりに活用するのはKDDIいわく、国内で初めて。 |
↑AKBグループのドラマは秋本康氏が企画する。詳細は9月16日のイベントで公開予定。 |
ビッグデータの活用と聞いて、最も気になるのはプライバシーの観点。今回活用されるデータは、個人情報を含まないビデオパスの視聴分析データになります。「キャリアとして個人情報の保護には神経を尖らせている」(KDDI髙橋氏)とのことで、電話番号や住所の情報がテレビ朝日側に提供されることはないようです。
また、ビデオパスはauの回線契約が必要な“au ID”で管理されており、競合するドコモとエイベックスによる『dTV』のように“キャリアフリー”の仕組みではありません(iOSユーザーは除く)。そうなると今後テレビ朝日のコンテンツはauユーザーしかネットで視聴できなくなるのか?などの疑問が浮かびますが、テレビ朝日の角南氏は「SVOD(定額課金方式)において今回の提携は大変重要なものだが、排他的ではなく、状況に応じて他社とも協力していく」と述べており、ビデオパス以外へのコンテンツ提供が止まる心配はなさそうです。
↑au IDが必要なビデオパス。 |
同時に、KDDIは5年以上の契約者向けに3ヵ月ごとにデータ容量をプレゼントする“長期優待データギフト”と余ったデータ容量を翌月に1バイト単位で繰り越せる“データ繰り越し”も発表。豊富なコンテンツを自社の回線で無駄なく使えるようにという姿勢が見受けられます。
↑長期優待データギフトの詳細。 |
↑データくりこしはバイト単位で繰り越せる。 |
↑KDDIの映像配信プラットフォームは、アジア最大級の音楽サービス“KKBOX”に移行予定。今年度末にはKKBOXの基盤を通して全世界に音楽と映像双方が配信される。 |
すでにビデオパスを活用している方はもちろん、auユーザーの方はぜひチェックして見てください。
●関連サイト
・KDDI 該当プレスリリース
・au データくりこしページ
・au 長期優待データギフト
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