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スマホのタイムラプス機能で結晶の花を咲かせよう【スマホで自由研究01】

2015年08月08日 17時00分更新

 スマホやデジカメで簡単に写真・映像記録が残せるデジタルキッズたち。今年の自由研究はタイムラプス+100円均一ショップアイテムで結晶の花を咲かせてみてはどうだろう?

 街の人波の動き・夕景のタイムラプス映像はよくあるけれど、そこに理科の要素を取り入れると一変する。ありきたりなタイムラプス映像に飽きたら、ひと味違う映像創りに挑戦するのもおもしろい。

“尿素”ってなんだろう?

 小学校の授業や実験教室などで“結晶の花(雪)”を作った経験はないだろうか?

結晶の花を咲かせよう
結晶の花(雪)の実験、白い小さな結晶ができるので花が咲いたようにも雪のようにも見える。
結晶の花を咲かせよう
水性ペンで色を付けることもできる。

 この実験で使われるのは“尿素”という物質だ。化学式で書けば CO(NH2)2 となる有機化合物で、珍しいものではない。尿の素というだけあって、ヒトの尿にも含まれており(成人なら1日30gを排泄)、保水効果が高いため化粧水などにも添加される。

 園芸用肥料の小袋(1kg 500円程度)が手に入れやすいものの、夏のこの時期ならもっと入手しやすいものがある。外袋を叩いて、水の入った中袋を破れば、みるみる温度が下がるという“冷却パック”がそれだ。

結晶の花を咲かせよう
100円ショップのダイソーが扱っている瞬間冷却パック。
結晶の花を咲かせよう
成分表示を見て“尿素、水”だけのものを探そう。

 尿素には、水に溶けるときに周囲の温度を下げる性質がある。100gの尿素を100gの水に溶かすと、水の温度がおよそ20℃下がる感じだ。なお、同様の仕組みの冷却パックには、硝酸アンモニウム(硝安)を使うものもある。また、より冷却効果を高めるために、尿素と硝安を混ぜたものもある。尿素だけのものを見つけよう。

結晶を育ててみよう

 次に用意するのは、結晶を成長させる土台。水が染みやすいものなら何でもいいが、100円ショップに行った際にモールを見つけたので、こちらでやってみよう。

 実験といっても大げさなものではなく、ガラスビンなど適当な容器にモールを入れ、そこに尿素水溶液を少し入れて安定した場所に放置するだけだ。モールに水溶液が染みて、上部で水分が蒸発し、溶け切れなくなった尿素が結晶になって見えてくる。

結晶の花を咲かせよう
100円ショップで見つけたモールと適度な大きさのガラスビンを用意。油分があると水溶液が染みないので、キッチン用の中性洗剤で洗っておこう。

 なお、瞬間冷却パックを使ったあとに、外袋を破って尿素水溶液を結晶作りに利用してもいいが、この分量では水が多く薄い水溶液になるため、結晶が出にくい。推奨されない使い方だが、外袋を静かに破り、尿素だけを取り出すのがよいだろう。

結晶の花を咲かせよう
丈夫な外袋の中に、水が入った内袋と、顆粒状の尿素が入っている。顆粒や水溶液は非毒性だが、間違って飲んだり目に入れたりしないように十分注意すること。

 尿素は、重量比でほぼ同量の水に溶ける。体積ならば、尿素の半分程度の水があればいい。特に湿度の高い夏季は、水溶液が乾燥しにくいため、濃い水溶液のほうが比較的短時間で結晶ができてくる。

結晶の花を咲かせよう
尿素と水の混合比は、重量比で1:1ぐらいがちょうどいい。この水溶液をこぼすと掃除が大変だ。結晶も思いのほか大きく育つことがあるので、下には広めの容器や古新聞を敷いておこう。
結晶の花を咲かせよう
モールをガラスビンにセットし、その後、尿素水溶液をビンの底に少し溜まるまでモールの上から静かに注ぐ。

タイムラプスで記録する

 尿素水溶液を入れたら、水平で安定しており、風通しのよいところに静かに置いておくだけだ。湿度や気温にもよるが、早ければ1時間もしないうちに、モールのあちこちから、小さな結晶が出てくる。せっかくなので、尿素結晶が大きくなっていく様子をタイムラプス映像として撮影しよう。スマホをスタンドなどで固定し、照明を整えて撮影すればいい。

結晶の花を咲かせよう
スマホは電源接続状態で撮ろう。
結晶の花を咲かせよう
背景を無地にすると被写体が映える。

 撮影には、タイムラプス撮影(微速度撮影)機能を持つ、シャープの最新スマホ『AQUOS Xx』(ソフトバンク)を使った。最大で4K2Kの映像が撮れるカメラ・映像重視タイプのスマホで、タイムラプス撮影では、1秒/2秒/5秒/10秒間隔で撮影し、スマホ内で mp4 もしくは 3gp 形式のタイムラプス動画を作ってくれる。

結晶の花を咲かせよう
AQUOS XXのカメラを起動、“タイムラプス”を選択して撮影間隔を決める。

 AQUOS Xxのタイムラプス動画は、フレームレートが 25fps 固定となるので、10秒間隔で撮影すると250秒(約4分)の変化を1秒に縮めたことになる。尿素の結晶が成長する速度は、速いようで遅い。こうしたゆっくりとした変化を捉えるなら10秒間隔がいいだろう。

結晶の花を咲かせよう
10秒間隔に設定して撮影を開始。

 約100分(1時間40分)の変化を250倍速でまとめたタイムラプス映像がこちら。

 そのほか、『Lapse It』、『Framelapse』、『EasyLapse』など、タイムラプス映像を撮れるAndroidアプリはある。BGMを入れての映像編集、撮影間隔の設定、フレームレート、ファイル形式なども細かく指定できるので、本格的に撮るならこれらを使ってもよい。iPhoneユーザーならiOS 8標準搭載のタイムラプスモードで試したり、『TimeLapse』のようなアプリを使ってみてもいいだろう。

 また、『微速度撮影(TimeLapse)』アプリは、指定時間ごとに静止画を撮影するものだ。映像化するにはパソコンでの作業が必要になるが、AQUOS XXの4K2K対応カメラの性能を活かすなら、こちらも有効だ。

結晶の花を咲かせよう
尿素は細長い針状結晶になる。
結晶の花を咲かせよう
小さな結晶が枝分かれしながら次々とできてくるので、植物の枝先のように見えるのだ。

 アナログ時計を映像に写し込むと、時計の針がぐるぐる回るので、いかにもタイムラプス映像っぽくなってオススメ。

 尿素水溶液の濃度を変えたり、食塩を加えたりして、結晶の成長具合を見るなら、それは立派な自由研究になる。モールの形を変えて動物や花をつくり、そこに結晶を析出させるのも楽しい。

 ちなみに、残った尿素水溶液は、300倍に薄めて液体肥料として使える。実験に使った容器やモールなどはよく水洗いしておこう。結晶は、水に溶かして繰り返し使えるが、不要になったら十分な量の水で薄めたのち、トイレに流すのも可だ。

■関連サイト
AQUOS Xx(ソフトバンク)
AQUOS Xx(シャープ)

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