どもどもジサトライッペイです。インテルはLGA版のテスクトップ向け第6世代Coreプロセッサー(開発コードネーム:Skylake-S)をついに発表しました!
第5世代Coreプロセッサー(開発コードネーム:Broadwell-CもしくはBroadwell-K)の発売から2ヵ月と、あまりにも早い新製品投入におったまげなわけですが、今回投入したモデルはCore i7-6700KとCore i5-6600Kの2モデル。つまり、型番的には第4世代Core(開発コードネーム:Haswell)のCore i7-4770KとCore i5-4670Kの後継になります。内蔵GPUはIntel HD Graphics 530(今回から3ケタになりました!)になります。第5世代CoreのCore i7-5775C、Core i5-5675CはIris Pro Graphics 6200でしたから、内蔵GPUの位置付け的にもHaswellの後継とするのが妥当でしょう。
製造プロセスは第5世代Coreと同様、14nmなので省電力性と内蔵GPUの性能がHaswell世代よりも上がっています。加えて対応チップセットは、Intel Z170に進化し、メモリーもDDR3のほか、DDR4にも対応しました。
CPUとチップセットをつなぐバスはPCI Express 2.0ベースのDMI2.0からPCI Express 3.0ベースのDMI3.0に帯域が上がってます。もちろん、チップセット以下のインターフェースは各マザーボードメーカーの製品ごとに割り振りが異なるフレキシビリティーインターフェースですが、チップセットレベルでPCI Express 3.0化を果たした最初のメインストリームプラットフォームということになりますね。なお、BCLK(ベースクロック)も新たにクロックジェネレーターをマザーボード上に置くことで、1MHz単位での細かな調整ができるようになりました。オーバークロックで限界まで攻めやすい仕様と言えます。
では、早速性能を見てみましょう。検証環境は以下です。比較用のマシンは第4世代Coreの中でも、定格ベースクロックが同じ4GHzのCore i7-4790K搭載マシンを用意しました。つまり、Devil's Canyonですね。
●第6世代Core検証マシン
CPU:Core i7-6700K(4コア/8スレッド、4GHz、最大4.2GHz)
マザーボード:ASUS『Z170-DELUXE』(Intel Z170)
メモリー:DDR4-2133 8GB×2
グラフィック:Intel HD Graphics 530
●第4世代Core検証マシン
CPU:Core i7-4790K(4コア/8スレッド、4GHz、最大4.4GHz)
マザーボード:ASUS『Z97-DELUXE』(Intel Z97)
メモリー:DDR3-1600 8GB×2
グラフィック:Intel HD Graphics 4600
●共通スペック
ストレージ:インテル『SSDPEDMW400G401』(NVMe SSD、400GB)
電源ユニット:Thortech『TTBPK00G』(1000W、80PLUS GOLD)
CPUクーラー:CoolerMaster『Hyper 212 EVO』
OS:Windows 10 Insider Preview(Build 10240)
まずは内蔵GPU系の進化を確認するために、GPU支援処理が可能な『Photoshop CC 2015』の写真処理で検証しました。使った処理はGPU支援が利くチルトシフトのほか、支援が利かないバッチ処理の2種類。結果は、チルトシフト処理ではCore i7-6700Kのほうが約20秒も高速でした。内蔵GPUの進化でこれだけクリエイティブ系の処理が変わったのは驚きです。
また、Intel HD Graphics 530は高速エンコード機能“QSV”において、新たにH.265に対応したのも特徴です。サイバーリンク製のソフトでは、この新しいQSVに対応を予定しているとのことで、エンコードソフト『MediaEspresso』、動画編集ソフト『PowerDirector』のテスト版を使って、特別にその利き具合を試すことができました。
いずれもQSVを使った場合のAVCHD(1920×1080ドット)→H.265変換(1280×720ドット)はすさまじい速度で完了しました。なお、CPU処理のみで比べた場合でも、Core i7-4790Kよりもじゃっかん性能が高いのもポイントです。最大動作クロックはCore i7-4790Kのほうが200MHz高いのですが、それでもCore i7-6700Kのほうが優秀だったので、CPUコア部も確実に14nmプロセスによる性能向上を果たしていると言えます。
続いてライトな3Dゲームで比較してみましょう。まずは『ロード オブ ヴァーミリオン アリーナ』から。
フレームレート計測ソフト『Fraps』で平均を測ったところ、このぐらいの差になりました。フレームレートは20fpsを下回るととたんにプレイの快適さが損なわれる印象で、Core i7-6700Kはある程度に快適でした。欲を言えば常に30fpsより上になってくれたら申し分ないのですが、そこはまだグラフィックボードの領分ということでしょう。
次に定番のFF14ベンチを回してみました。
720pでもフルHDでも3割以上は性能が伸びてました。フルHDでも“やや快適”判定の2500スコアーを超えてくれたのがうれしいところ。
最後は3DMarkです。軽負荷なSky Diverと高負荷なFire Strikeで計ってみました。
傾向はゲーム系ベンチマークと同じですが30%増未満に収まりました。なお、Core i7-5775CはCore i7-4790Kのほぼ2倍の性能なので、Core i7-6700Kはちょうどその間の性能という感じです。
ちなみに温度と消費電力は以下です。高負荷時はOCCTの“Power Supply”テストでCPU部もGPU部もMAXの負荷にしています。
いずれもCore i7-4790Kからダウンしており、省エネになってました。このあたりは第5世代Coreよりも、14nm製造プロセスによる“省電力化”がうまく行なわれているように思えます。第5世代CoreもCPU部は省電力ですが、GPU部がIrisのため、どうしても消費電力が高くなっていたのでしょうがないですけどね。
Core i7-6700KのBOX。予想実売価格は5万200円前後。 |
Core i5-6600KのBOX。予想実売価格は3万5100円前後。 |
さて、第6世代Core、Core i7-6700Kの性能はいかがだったでしょうか。ライトな3Dゲームはより快適に遊べるようになり、写真編集や動画編集などのクリエイティブな作業でも確実に第4世代Coreより進化しており、個人的にはここ数年で一番グッときたCPUになりました。BOXの予想実売価格はCore i7-6700Kが5万200円前後、Core i5-6600Kが3万5100円前後です。なお、CPUクーラーは付属しませんので、別途130W以上のクーラー(インテル推奨)を購入する必要があります。CPUソケットはLGA1151と新しいものになり、従来のCPUとは互換性がありませんが、CPUクーラーはLGA1150で使っていたものでも使えます。
Core i7-6700Kをフル活用するためには、Z170マザーボードとDDR4メモリーを新たに購入しなければならないので、CPUだけのアップグレードで済んだ第5世代Coreよりも出費が多くなるという意味で、敷居が高いかもしれません。でも、Windows 10 DSP版も発売したし、これを機に新しいマシンにまるまる新調するってのもアリでしょう。むしろ、自作PC好きならこの際CPUもOSもプラットフォームも最新でそろえちゃいましょうよ!
■関連サイト
Intel ARK
(2015年8月5日23時20分訂正:記事初出時、“Core i7-6700Kを使うためには、Z170マザーボードとDDR4メモリーを新たに購入しなければならない”と記載しておりましたが、“Core i7-6700Kをフル活用するためには、Z170マザーボードとDDR4メモリーを新たに購入しなければならない”と表現を改めました。お詫びして訂正します。)
(2015年8月6日12時00分訂正:Core i5-6600Kの表記に一部誤記がありました。お詫びして訂正します。)
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