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過去にさかのぼれる4次元マップがさらに充実!Googleマップ誕生から10周年

2015年07月17日 18時30分更新

 みなさん、こんにちは。いまは週刊アスキーの吉田でございます。さて本日、東京・六本木でGoogleマップの誕生10周年を記念したイベントが開催されましたよ。

Google Maps
会場に展示されたいた人力でストリートビュー撮影が可能な「ストリートビュートレッカー」。

 Googleマップは、2005年2月8日にデスクトップ版の提供を始めたのが最初。当時、地図を扱うウェブサイトは多く存在していましたが、GoogleマップはAjaxという技術を利用したことで、マウスのドラッグで地図を動かせるなど現在の地図アプリや地図サイトの原型ともいえる画期的な操作性を備えた点で優れていました。ところでAjaxという言葉、久しぶりに聞きました。

Google Maps
Googleマップは2005年2月8日にデスクトップ版が提供されてから今年で10周年になります。

 当初は、米国と英国、アイルランドだけのサービスでしたが、同年7月14日には、日本でのサービスを開始しました。

Google Maps
「Googleマップ10年の歩み」と題して、 Googleグループプロダクトマネージャーの河合敬一氏が登壇してプレゼン。

 日本の地図が現在のものとはまったく異なり、ゼンリンが作成したカーナビ向けの地図を使っていました。グーグルによると「とにかく早くサービスインさせたいという想いから、ゼンリンさんの地図を採用した」とのことです。

Google Maps
日本に導入された当初のGoogleマップはカーナビ向けのマップを利用していました。

 時期は前後しますが、2005年6月には早くGoogleマップAPIの提供を開始し、いちはやく対応したのが郵便ポストを人力でマッピングする「ポストマップ」と、不動産情報サイトの「at home」だったそうです。

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不動産情報サイトでいまや当たり前になった地図機能。多くのサイトがGoogleマップを使っています。

 2006年からサービスが始まった飲食店などのローカル検索機能は、日本に開発チームから生まれたもの。現在では世界で当たり前になっている機能ですが、日本発祥とは知りませんでした。

Google Maps
ローカル検索は日本から世界に広まったサービスです。

 さらに日本発祥のサービスとしては、2007年に搭載された検索結果にサムネールが付く機能。飲食店や施設の検索機能は当初は地図が概要が表示されるだけでした。

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初期のローカル検索機能では、施設の概要と地図などが表示されるのみでした。

 日本のGoogleマップの開発チームにラーメン好きがいたそうで、「写真がないと検索結果の店のラーメンがとんこつなのか醤油なのかわからない」というアイデアから、検索結果にサムネールを付けられるように改良したそうです。

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現在ではサムネール写真付きの検索結果を一覧できます。

 そのほか、2006年にはガラケー向けにGoogle乗り換え案内、2007年にはiアプリ版のGoogleマップを提供したりと、日本ローカルの対応にも力を入れていました。

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ガラケー向けの乗り換え案内、iアプリ(iモード向けアプリ)など日本独自に仕様もサポートしていました。

 2009年にはカーナビ機能、2011年にはインドアマップが搭載されました。

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2009年に提供が始まったナビゲーション機能で、いまやスマホはカーナビ代わりに使えますね。ターミナルビルや地下街などの階数ごとに地図もインサイドビューで見られます。

 2008年には、世界で米国に次いで2番目となるストリートビューが日本で提供され、北海道・札幌などの街並みを写真で見られるようになりました。

Google Maps
米国に次いで2番目にサービスインとなったストリートビュー。

 なお、車が入り込めないような狭い路地や山岳地帯などでは、「ストリートビュートレッカー」と呼ばれる機材が活躍するとのこと。

Google Maps
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後頭部の上部にあるカメラで360度の画像を撮影できるストリートビュートレッカー。人間が背負って使います。

 グーグルには、ストリートビュートレッカーやおなじみのストリートビュー撮影車のほか、自転車型の「ストリートビュートライク」、スノーモービル型、そして美術館などの展示物の撮影に適した「ストリートビュートロリー」などの撮影機材が揃っています。

Google Maps
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おなじみとなったストリートビュー撮影車。ここまでベタなデザインだと、誰でもわかりますね。
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ストリートビュー撮影には、自動車や自転車、スノーモービルなど豊富な機材が揃っています。

 グーグルのエンジニアが考案したストリートビュートレッカーのプロトタイプ。試作してみたところ、重すぎて山には登れないシロモノだったとのこと。

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ストリートビュートレッカーのプロトタイプ。 

 本日から、このトレッカーを利用して撮影した槍ヶ岳のストリートビュー写真が見られるとのことです。

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ストリートビュートレッカーで撮影した槍ヶ岳のストリートビュー。2015年5月に撮影したもので、山頂は雪で覆われています。

 以前から一部の地域で提供されていた、ストリートビューで過去の写真にさかのぼれる機能は、東日本大震災の被災地である、宮城県牡鹿郡女川町や福島県の浜通りなどのデータを充実させるそうです。現在は2011年の震災直後と2014年ごろの写真しかありませんが、新たに2008年ごろの写真も見られるようになるそうです。時間軸を加えたまさに4次元の地図となるわけです。 

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国道398号線の女川地区近辺では2008年にストリートビューが見られるようになるとのこと。
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航空写真も見られます。

 イベントの後半はパネルディスカッションが開催されましたが、中でも注目は日本放送協会(NHK)が紹介した「東日本大震災ビックデータワークショップ」。グーグル社やツイッター社のほか、ゼンリンやNHK、朝日新聞などが協力したプロジェクトで、大災害に向けて適切な情報流通施策の低減や、各種サービスのプロトタイプ開発を目的としていました(現在は終了)。会場には、NHKが進めている8Kのスーパーハイビジョンが設置され、Googleマップを8K表示で見られるほか、災害時の水の流れなども広域を高精細でチェックできることが紹介されました。

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グーグルやツイッター、NHKなどが協力した「東日本大震災ビックデータワークショップ」。
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ワークショップの成果物を利用することで、水の流れなどを広域で把握できます。
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会場にはNHKが進めている8Kスーパーハイビジョンのモニターも展示されていました。災害発生時の各地の状況を大画面かつ高精細の画面で見られることで、効率的に情報を把握できるようになりますね。
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8Kスーパーハイビジョンでストリートビューを表示するともうなんかリアルSim Cityですね。左側の人のスマホの大きさ、右側の人の頭の大きさと画面を比べてください。

(2015.07.18 03:00追記)Google Map APIが公開された年に間違いがありました。お詫びして訂正いたします。

■関連サイト
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未来へのキオク
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