インターネットの恒例行事「ジミー・ウェールズからのお願い」。
Wikipediaをひらくと、今日もジミー・ウェールズが「金くれ」をやっている。「700円でいいんだ」という感じで書いている。まあそれはいい。非営利団体だから寄付で運営されてるのは理解する。理解したから5年前に寄付したのだ、わたしだって。
フリーソフト開発者には援助が必要だし、そもそもパソコン文化というのはそういうフリーな文化が下支えしてきたものだった。安月給だができるだけの援助はしたい。
だが、それからというもの「ジミー・ウェールズからのお願い」がメールでダイレクトに送信されてくるようになったのである。
今年のメールは今までの中で最も寄付意欲をそそらないメールだった。ボジョレー・ヌーボー的に言えば「50年に一度の出来、近年にない最悪な出来栄え」だ。
メール一部 |
まず件名がいつもながら「盛田 - 長くはお邪魔いたしません」である。
べつに機械で書くのでもいいが、もうちょっとなんか自然言語っぽい感じを出せという感じがする。せめて盛田ちゃんとか書いてほしい。
そして一行目からして、
「ウィキペディアが広告を掲載せずに存続できるよう、お力添えをいただきましてありがとうございます。とてもお忙しい皆さんに、さっそくお願いです。今年もまた、皆さんのご支援が必要です」
である。
ジミー・ウェールズが百科事典の訪問営業マンだとしたら、
「盛田? ああ、盛田。どうもどうも、百科事典のウィキペディアでございますが。長くはお邪魔いたしません。あ、お忙しい。けっこうなことですな。ではさっそくですが、今年もまたお金をいただけないでしょうか」
である。お帰りくださいである。
メール全文 |
2011年は「あなたのご寄付によってウィキペディアは昨年一年間ウェブで存続することができました。よろしければ、今年ももう一度お願いできないでしょうか」と物腰もていねいだった。
ひるがえって今年のだらけたおっさんぶりは何であろうか。わたしは悲しい。
ちなみに昨年は「わずか175人の職員で、5億人以上の利用者をサポートしています」と言っていたが、今年は「社員はわずか200人ですが、4億5000万人のユーザーを抱えています」という説明に変わっていた。
利用者減ってるのに職員増えてるし……大丈夫かいな。
2011年のメール |
余談だが4年前、わたしはクラウドファンディングで岩手にある酒蔵に数万円ほど出資している。
酒蔵は出資者向けのブログをつくり、経営状態がこうだとか、新商品がどうだとか、経営状況を詳しく報告し、みなさまの出資に見合う活動をしたいと思っていますとメールをしてくれていた。
それを読んでいると、ここに出資してよかった、必要な人にお金を託すというのはいいものだなと思った。そしてつい新酒を買っちゃったりしたものだ。
Wikipediaももうちょっと見せ方を努力してくれると、いくぶん印象が良くなると思うんだけど。4億5000人がどうだと言われても正直ピンとこないのであるよ。
●関連サイト
Wikipedia
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